機関が去り、個人が動く​:サイバーエージェント(4751)の需給ドラマと決算前の攻防



サイバーエージェント(4751)の需給をめぐる動き、なんだかドラマみたいで面白いですよね。

今年の夏、8月上旬に発表された決算をきっかけに株価が急落したのを覚えているでしょうか? あのとき、「おっ、これだけ下がったなら絶好の買い時だ!」とばかりに、個人の逆張り買いが一気に膨らんだんです。一週間で約371万株も買い残が増えたんですから、その勢いたるや凄いものです。

ただ、市場というのは残酷なもので……。個人が「よっしゃ、底だ!」と飛びついたその裏で、ゴールドマン・サックスなどの海外の巨大機関投資家たちは、すかさずその買い注文を自分の売りポジションの「買い戻し(利食い)」に利用していました。個人がせっせと買い支えてくれたおかげで、機関はスムーズにポジションを畳むことができたというわけです。

まさに、カモメンタムならぬ「個人が機関のエネルギー源にされてしまった」瞬間でしたね。

その後、9月には配当取りのためのクロス取引でノイズが入りつつも、足元ではどうなっているか。

10月に入ると、ゴールドマンをはじめとする主要な機関投資家の空売りはすべて報告義務のライン(0.5%)未満へと消えていき、目立った「上からの売り圧力」はいったん落ち着きました。

そして直近の10月中旬、株価が1,300円台へと持ち直したタイミングで、面白い現象が起きました。

夏場からずっと含み損を抱えてヤキモキしていた個人投資家たちが、「やっと助かった……!」とばかりに、一気に100万株以上の信用買いを処分(返済)し始めたんです。おかげで、一時はパンパンに膨れ上がっていた買い残もかなりスリム化してきました。

とはいえ、まだ安心しきれない部分もあります。

平常時の水準と比べると、依然として数百万株規模の「シコリ玉(助かり待ちの買い残)」が上値のどこかに眠っています。1,350円や1,400円の壁に近づくと、「やれやれ、ようやくプラスマイナスゼロになったから売ろう」という戻り売りが出やすい構造は変わっていません。

空売りの燃料(踏み上げの原動力)も今は乏しいので、ここから一気に上を試すには、もう一段のパワーが必要です。

さて、次に市場が注目している最大のイベントといえば、11月11日に控えている本決算(2026年9月期)です。

ここで会社側がどんな来期予想を出してくるかによって、この重たい買い残を消化しながら上に向かえるのか、それとも再びしんどい展開になるのかが決まってきます。果たして、次の決算はどんなサプライズを連れてきてくれるでしょうか?