「ヒーローズ・ジャーニー(Hero’s Journey)」は、神話学者ジョーゼフ・キャンベルが著書『千の顔をもつ英雄(The Hero with a Thousand Faces)』で提唱した物語の普遍的な構造です。彼は世界中の神話や物語を研究し、それらが共通するパターンを持つことを発見しました。
ヒーローズ・ジャーニーの基本構造
ヒーローズ・ジャーニーは、大きく 「出発」「試練(イニシエーション)」「帰還」 の三部構成に分けられます。それぞれの段階には、より細かいステップが含まれます。
1. 出発(Departure)
- 日常世界:主人公は普通の世界にいる。
- 冒険への誘い:何らかの出来事が起こり、冒険に出るきっかけが訪れる。
- 冒険の拒絶:最初は恐れや迷いがあり、冒険を拒むこともある。
- 賢者との出会い:導き手となる人物(師匠やメンター)が現れる。
- 第一関門の突破:主人公が決意し、日常を離れ、冒険の世界へ足を踏み入れる。
2. 試練(Initiation)
- 試練・仲間・敵:新たな世界で試練を受け、仲間や敵と出会う。
- 最も危険な場所への接近:冒険の核心へと向かう。
- 最大の試練(洞窟の中への進入):大きな困難や敵との対決。
- 報酬(成功の瞬間):試練を乗り越え、大きな成果や悟りを得る。
3. 帰還(Return)
- 帰路:元の世界へ戻る旅。
- 復活(新たな試練):最後の試練を乗り越え、真の変化を遂げる。
- 宝を持ち帰る:得た知識や力を持ち帰り、世界を変える。
ヒーローズ・ジャーニーの例
この構造は、多くの映画や小説に見られます。例えば:
- 『スター・ウォーズ』(ルーク・スカイウォーカーの旅)
- 『ロード・オブ・ザ・リング』(フロドの冒険)
- 『ハリー・ポッター』(ハリーの成長と戦い)
- 『千と千尋の神隠し』(千尋の成長と帰還)
この物語構造は、読者や視聴者が感情移入しやすく、特に冒険や成長をテーマにしたストーリーに適しています。あなたが物語を書く際にも、このフレームワークを活用すると、より魅力的な作品が生まれるかもしれませんね!