ゲーム雑談から見えてくる世界経済――PS6の行方からAIのチキンレースまで、ナカイド×岡本吉起が語る「未来を生き抜く視点」


YouTubeのライブ配信を見ていると、「単なるゲームの雑談だと思っていたら、いつの間にか深い経済の話になっていた!」と驚くこと、ありませんか?

今回の「ナカイドのゲームラジオ」は、まさにそんな驚きに満ちた1時間45分でした。ゲーム実況者のナカイドさんと、数々の名作ゲームを手がけた伝説的クリエイターの岡本吉起さん。この二人の対話は、私たちの日常から世界の最先端までを軽やかに行き来します。

まずは、ゲーマーにとって一番身近な話題からスタートしました。

ナカイドさんは現在、新作の『ファイアーエムブレム』に熱中しているそうです。30時間プレイしてもまだ序盤が終わらないという、その圧倒的なボリューム感。過去に同シリーズの開発に携わった岡本さんからの裏話も飛び出し、ゲーム好きにはたまらない時間です。

そして話題は、「PS6はいつ出るのか?」という次世代ハードの行方へ。皆さんも気になっているのではないでしょうか。彼らの見立ては非常に現実的です。現在、PS5のビジネスは非常に利益率が高く、ソニーとしては今の「美味しい時期」をできるだけ長く続けたいはずだ、と予測します。例えるなら、大繁盛しているレストランが、わざわざ店を閉めてまで急いで改装工事をしないのと同じですね。

さて、ここから番組は少し意外な方向へ舵を切ります。話題はなんと、世界の「AI開発競争」へ移るのです。

現在、世界中のAI企業は数兆円規模という桁外れの赤字を出しながら開発を続けています。

なぜそんな無理をするのでしょうか?

岡本さんはこれを「新しい核兵器の開発競争」という言葉で表現しました。途中で開発を諦めれば、他国や他社にテクノロジーの覇権を握られてしまう。だから、どれだけ血を流しても誰も降りることができないのです。まるで極限のチキンレースですね。

実際、ソフトバンクが9%超という異例の高金利で社債(企業が投資家からお金を借りるための債券)を発行したことにも触れ、資金集めの過酷さを指摘しています。複雑な世界経済の動きですが、「誰も降りられない勝負」と考えると腑に落ちます。
では、そんな激動の時代に、私たちはお金とどう向き合えばいいのでしょうか。

最近、任天堂の株価が、金融機関のレーティング(投資判断の評価)引き下げによって下落しました。こうしたニュースを見るとつい不安になりますよね。しかし、岡本さんの投資スタンスはブレません。株を買うということは、その会社の「オーナーのひとり」になること。目先の値動きに一喜一憂するのではなく、数十年単位でどっしり構えることが大切なのだと語ります。相場が不安定な今は、あえて現金やMMF(安全性の高い投資信託)で手堅く持っておくのも立派な戦略です。

時には「何もしない」のが正解になる。

深い教訓です。

最後は、ちょっと息を抜いて二人のプライベートな話題へ。

話題は「月にいくら自由に使えるお金があれば幸せか?」というものです。

ナカイドさんが「100〜150万円あれば十分」と等身大の夢を語る横で、岡本さんの口からは信じられないエピソードが飛び出します。

なんと、マレーシアにある豪邸の維持費だけで月に400万円。来客用の部屋には540万円のベッドが置かれているそうです。スケールが違いますね。

日々スマートフォンでゲームを楽しんでいると忘れがちですが、エンタメ業界で成功を収めたトップ層の生活は想像を絶します。

とはいえ、ナカイドさんも現状に甘んじてはいません。彼は自身のチャンネル視聴者にゲーム業界関係者が多いことに着目し、今後はゲーム業界に特化した「求人・人材マッチングビジネス」を展開する構想を明かしました。動画配信という枠を超え、次のステージへキャリアのステップアップを図ろうとするしたたかさ。職種は違えど、現状に満足せず新しい挑戦へ向かおうとする姿勢には、ハッとさせられるものがあります。

ゲームの最前線から、AI経済、そして人生のステップアップまで。一見バラバラに見えるテーマが、実はすべて「未来をどう生き抜くか」という一本の線で繋がっている。そんな知的で刺激的な対話でした。