街の鼓動を感じる:新橋から銀座への投資目線ウォーク
新橋のSL広場。ここから私たちの「株散歩」が始まりました。皆さんは、新橋が日本の鉄道発祥の地であり、かつて新橋から横浜まで鉄道が走っていた歴史をご存知でしょうか?この街の周辺には、電通や資生堂など、日本を代表する数多くの企業が立ち並んでいます。
少し歩いて銀座方面へ向かうと、街の景色だけでなく企業の栄枯盛衰がくっきりと見えてきます。例えば、青いネットが張られた工事現場は、かつてリクルートの本社があった場所です。現在は清水建設が新たなビルを建設しており、ヒューリックのような勢いのある不動産会社の存在感を肌で感じさせます。
また、街角のローソンも少し見方が変わるかもしれません。夕方になると水商売の方々で賑わうこの店舗は、かつては上場企業でしたが、現在はKDDIと三菱商事に買収されて非上場となりました。このように、見慣れた風景の中にも経済の大きなうねりが隠れているのです。
企業戦略の交差点:銀座のショーウィンドウから
銀座の街をさらに進むと、各社の戦略の違いが浮き彫りになります。最近のマツモトキヨシのフラッグシップストアは、まるで韓国の洗練されたコスメショップのような空間です。売上の大部分を化粧品が占め、自社開発のプライベートブランドのサプリメントにも力を入れているそうです。時代の変化に合わせた、見事な変身ですね。
一方で、日本で最も地価が高いと言われる銀座の一等地に、日産は昔から変わらずショールームを構え続けています。工場を売却する一方で、これほどのコストをかけて一等地に拠点を維持するのは、企業のプライドの表れなのでしょうか。少し立ち止まって考えさせられる光景です。
百貨店業界も非常に興味深いです。先端を行き過ぎて少し敷居が高く感じる伊勢丹に対し、三越は伝統と格式を重んじる層に支持されています。最近では、若い富裕層に向けて外商サービス(上客向けの個別接客)の年齢制限を引き下げるなど、したたかな戦略も見え隠れします。個性の異なる二つが統合した三越伊勢丹は、まさに最強のコンビと言えるかもしれません。
静かなる金融街から、熱気あふれる浅草へ
歩みを進めて日本橋から兜町へ入ると、日本の金融の中心地であるJPX(日本取引所グループ)の建物が見えてきます。しかし、ニューヨーク証券取引所にある雄牛の銅像のような象徴的なアイコンがなく、少し活気に欠ける印象を受けるのは私だけでしょうか。
さて、ついにゴールの浅草に到着です。あの有名なアサヒビールの「金の炎」のオブジェが出迎えてくれます。ここでひときわ熱を帯びた話題になったのが、バンダイナムコの株です。
* 3700円で買った株が5800円まで上昇したという、まさに「大当たり」の銘柄です。
* 少子化で玩具メーカーは厳しいと思われがちですが、同社は「プレミアムバンダイ」という大人向けの戦略で大成功を収めています。
* エヴァンゲリオンやガンダムなど、高単価な商品を30代や40代の層に向けて展開し、大きな売上を生み出しているのです。
* ちなみに、バンダイのおもちゃを卸している「ハピネット」の株も同様に好調です。
ただし、投資の世界には注意点もあります。同じ業種やテーマ(セクターと呼びます)の株を複数買っても、同じ船に乗っているようなものなので、一つの企業の問題で業界全体が敬遠された場合、一緒に値下がりしてしまう傾向があります。つまり、リスクを散らす「分散投資」の役割を果たしにくいのです。
カルチャーと投資の意外な接点
投資の話だけでなく、街歩きはカルチャーの再発見でもあります。きゃりーぱみゅぱみゅの「ファッションモンスター」のようなポップな楽曲が、実は会社のルールに縛られたくないという深いメッセージを持っていることにお気づきでしたか?
また、異文化に目を向けると、台湾ではニトリの「Nクール」が暑さ対策として大流行しているそうです。日本の文化や製品がそのまま受け入れられやすい土壌があるのですね。
このように、ただ漫然と歩くのではなく「投資の視点」を持って街を眺めると、見慣れた景色は全く違う表情を見せてくれます。皆さんも、次のお休みに少し視点を変えて、身近な街を歩いてみてはいかがでしょうか?