ただVRのデバイスに関しては、北米圏においてはかなり販売は伸びてきていますが、Switchとかと比較されるような、つまり「キッズ」が買っているものになっている。ハイエンドのAAAタイトルをVRで出しても売れない状況というのが私の認識です。
だからわれわれとしては、北米圏でVRChatやRobloxで成功してきているプレイヤーさんが出てきているその中で、われわれが勝ち筋を見出せる分野……。われわれホロアースについては、色々なことをやりすぎてしまった感があります。つまりライブをやったり、ゲームをやったり、色々なものを盛り込みすぎてしまった。例えばライブに絞るとかすればよかったのかもしれないのですが、そこを総合的に事業を展開してしまったということが、投資も多くかさんでしまう結果になってしまった。
ただ、(色々な技術資産は産んでいて、例えば)ユーザーさんだけでなく、タレントさんもアバターを着替えられたりできるんです。今、タレントさんの衣装というとワンオフでつくってるわけですが、これからは例えばユーザーがデザインした服をタレントにすぐに着てもらえるみたいなこともできてしまう。だから開発してきた技術はホロライブの運用にも活用していけると思っています。まぁ、われわれの展開の仕方が問題だったのかなと。
もうひとつ、ホロライブのタレントさんにとっても、いつも配信しているホロライブと、ホロアースという2つの選択肢ができるのは、やはり大変だったということです。今後、ホロライブのいつも配信しているアプリケーションに、ホロアースで培った技術を入れていくことで、タレントさんとしてはそれを(手軽に)使っていただける。
ホロアースですと、ファンの方々がタレントさんの配信に参加していただくことができるのですが、そういった体験をホロライブアプリの方で実現していった方が、ある意味、ホロライブの力をそのままフル活用できるんじゃないかなと思っています。
昨年度からは(ホロアースは)ライブに特化した形で、ホロライブの力も借りて伸ばそうという方向性で進めてはいました。そこがやはり中途半端で、もっとホロライブと直列させていったほうが、タレントさんにとってもファンの方にとっても喜んでいただけるようなサービスを提供できるのかなという認識です。
──メタバースについて、社長自身の強い思いがこれまであったかと思います。この方針転換を判断した経緯を教えて下さい。
谷郷氏 メタバースに関しては、会社としてやはり昨年度も続けていくかどうかという判断があって、その中で、ライブに特化するという少し絞った形で事業を展開してく段階を踏んだのですが、それでも思ったほどの成果が出なかったということで区切りをつけた形になります。
それ以上のコメントは少し難しいですが、私自身の反省としては、非常に会社として大事なプロジェクトにも関わらず、私自身がそこまでコミットできるような立場になかったんです。昨年度でいうと、私は社長という立場でやっていたのですが、こうした社運をかけるようなプロジェクトをやるのであれば、やはり自分自身がそこの事業責任者として立つなどの対応をすべきだったと感じています。