本日のゲストは株式会社サイバーエージェントの藤田さんにお越しいただきました。 よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
で、本日はですね。事前にTwitterで事業家、起業家さんからのリアルな悩みだったり、相談っていうのを募集しております。本日は2人にそちらの質問にお答えいただければと思います。 よろしくお願いします。
では、早速ですね。1つ目の質問です。過去に上場の決断をしたと思うのですが、時価総額がつきにくい昨今の上場に対するスタンスをお聴かせください。
時価総額が付きにくいのに何が何でもしなきゃいけないのかなって、上場はするものであって、あまり考えずにそういう選択に突き進んでる人が多いような。
上場してもいいんですけど、通過点の1つだし、小さい、小規模のうちに上場してしまうと、した後に挑戦しにくくなるっていうこともあるので、もっと冒険してから上場してもいいのかな。そういうとこが増えてもいいし、上場も全くしないんですっていう選択肢もあると思うんですよ。
起業したからには上場しなきゃいけないの?っていうところはよく考えて欲しい。日本だとほとんどが上場を早めるのを目指してるんだけど、大きくしてから売却をするっていうことも立派な上場だし、その辺はオープンに考えてるんです。
ありがとうございます。
上場っていうテーマについてどう考えますか?
正直、僕自身がさっきみたいに騙されたタイプ。
独立して会社作ったら上場するっしょ、みたいな。 26歳くらいだったんで仕方なかったことがあるんだけど、とりあえず上場したいっていうのを目指したタイプなので。
ただやっぱり自分で痛い目にあってよくわかったのは、言う通り。上場した後に例えば新規事業するのがすごい大変なんですよ。 新規事業やる時って最初赤字なんで、その赤字の分は四半期発表しながら立ち上げてくっていうのは、未上場と比べても四半期発表するたびに文句言われるから 不可能に近いぐらい難しい。
うちは大きくなったけど、時価総額50億とか100億以下で毎四半期決算発表して決算説明会やっても全然お客さんも来ない、みたいな。
注目されてないから、続けていると本当に精神的にもやられてくるぐらいなんだって思いました。
あと、実際問題として昔みたいに上場がすごいっていうのはもうなくなっちゃったんですよ。
上場をしようという風に判断された時っていうのはどういった背景がありました?
その背景があって今だと思ったっていうのがありましたね。私も藤田さんと同じで、さっきは自分は偉そうなこと言ったけど、なんとなくこの業界に来て、上場路線に乗せられたところもあったと思うんですよね。
資金調達の自由度を手にすると言っても、まだ1回も市場から大きく調達していないわけだし、本当に上場する必要があったのかっていうのはよく考えなきゃいけないんですよね。
してなかったら楽だなと思うことは多いんですよね。一挙手一投足注目していただけるというので、ニュースにもなるし、そういう事業をしてるとコンセンサスってやっぱり大事だし、Mobageみたいなソーシャルゲーム系にはやっぱ上場企業の信頼ってのがすごいあるので非上場してたら今より楽だったかな?と思うことが多いですよね。
いや、私はないんですよ。
あ、ない?
それこそサイバーエージェントをやめて本当にフリーになってまた起業するとしたら。
その辺は皆さん、いろんな性格の友人を見てるから思うんですけど、向き不向きがあるのかな?
やっぱり僕はパブリックな会社をいろんな人を巻き込みながら経営するのが肌にあっているからいいと思いますけど、クリエイターの社長とか本当に同情しちゃうくらい苦しいんですよ。
私もなんか大きく業態転換をしようとしてる時に、市場に理解していただきながらやらなきゃいけない。 結構怒る時もあるから数年間一緒に耐えくださいっていうのが結構大変なことで、多くの人も巻き込んでやっていかなきゃいけないって思います。
2つ目の質問です。
2人とも早くからIT領域で起業されたと思いますが、高度成長市場だという判断はどのようにされているのでしょうか? 今現在の市場では参入は難しいと思います。こちらも藤田さんからお伺いしたいです。
それは簡単で日経新聞に書いてある。その中から気になった方を選べばいいかな?驚くほど情報が効率的になってるから。
やっぱりみんなが語り始める時だよね。それで産業が増えるっていうのはわかるし、成長するかどうかわかんないっていうこと自体がチャンスかもしれません。誰も見つけてない成長市場を見つけろって言われたら難しいですね。
それは難しい。
BBCとか、メディア界隈でなんか火がついてきたっていうところは、大体ホットになりやすいです。 あと政府のドキュメントを全部読むのもありかも。リスキリングだとか。 なんかそういう言葉がバーっと出てきて、そっちの方向に動くのかっていうのを全部やってみるのも良いと思って。
でもやっぱり国が掲げる方向の選別と合わせて企業を伸ばすのは基本。私、元々は政府を信じてなかったので、そのアプローチを取ってなかったのでなんとなく悔しいけど、でもやっぱりそういうアプローチはたくさんいるとプレイヤーが増えてくると、結局成長市場になるのだけど、最近あの異次元の少子化対策っていうそういう言葉がすごく受け入れられてるでしょ?
続いて3つ目の質問になります。多くの企業家を見てきたと思いますが、伸びる起業家と伸びない起業家、それぞれにどんな特徴があるかってところを教えてください。藤田さんからいかがですか?
いろんな起業家と接して来たんですが全然パターンがないんですね。
そうなんですね。
1つあるかな?
嫌な話ですけど、結構あるのがサイコパスみたいな感じの人が、そこそこ飛ばすんですよ。
要は社員がどう考えているかより、自分のやりたい、自分の目標を達成できないんじゃないかとかって怒りながらやってく人っています。
その人達は必ずどっかで躓くんですけど。
だからそこそこだったら成功するかと。
なるほど、難しい。
なんかこう途中までは周りの目とか気にせずに突っ込んで行く、みたいなのはやった方がいいけど、やっぱそれ以降はうまく人を巻き込む力みたいなのが必要になってくる。
それとよく昔答えたことがあるのが、やっぱり言うことがでかくて、壮大でやることが無難っていうタイプかな。そのタイプは成功する人が多いから自分も結構近かった。 大きいこと言うと、いろんな人を巻き込むことになりますから。
この伸びる起業家、伸びない起業家の特徴は粘り強い方かな?やっぱり飽きっぽい人は成功することもあるけど、そう簡単に成功しないので成功するまでやるかどうかなと思うから。
あと、やっぱり表層的な人は成功してない。 思考がすごく表層的で他責な人。
結構言ってることは格好良い。良くてもちょっと深掘りすると凄く浅くない?みたいな。 自分がやろうとしてるジャンルのこと、あんまりよく知らない。
やろうとしてることについてすごくよくわかってて深く考えてる人で粘り強いってやっぱり大事なんじゃないかな?と思うんですよね。
あんまり簡単には成功しない。
成功するまでやり切る人が勝つんだ。
努力と責任感みたいな。
それはそう。
詐欺師と起業家って紙一重だと思うんです。
これを実現しますよ!と、お金集めてもやっぱ責任感を持って実行してる人が成功したし。
そう言ってお金集めて、人を含めて集めても最後は逃げるような感じで詐欺してしまう。
なるほど、あんま変わんないっちゃ変わんない。
続いて4つ目の質問に行きたいと思います。 失敗乗り越え方なんですけど、メガベンチャーとして、とても成功しているように見えるのですが、そんな中でもきつい失敗や、その乗り越え方について教えてください。
ないんですよ。正直少しはありますよ。ちょこちょこちょこちょこあるけど、まずその失敗してもできるだけ早く忘れることにしてる。
忘れる。
気にしていたらその間の時間のコスパが悪い。まあ1回失敗したらもうそれを起点とするし、致命的な失敗したら今には至っていないし、あとはできるだけ将来失敗しないように、目の前の今から起きそうな問題から目を背けないべきです。
うん、うんうん。 早めに対処する。
失敗って言われても動じないことですね。
どうですか?
私の失敗はね、もう毎日してるから。大きい失敗もいくつもしてるので。 それで実際会社がどうなるんだろうと思うような失敗もある。
そういう時にドツボにはまって落ちてる感じ。その時はね。すぐに這い上がり方を見せるチャンスだと思っていて、逆は本当になんか誠実にことに向かって行こう。逃げずに対処していく様っていうのを世の中にしっかり見せて。DeNAの信頼を勝ち取っていくしかないっていう風に思うし、社員もその失敗を起こしてしまった人とそうじゃない人、たくさんの人たちがそれを見ていて、どっちもやっぱり私がどうするかって見てる。
すごく彼らが誇りに思うような、こういう事をしたいなと思いますし、そういうチャンスだと。 あと、やっぱこれがなかったら、このDeNAのこの強さはなかったよね?って、なんか1つ拾いものをしたと考えるようにしてますね。
いつも言うけど、命を取られるわけじゃないから実直に誠実にやれって思いますけど。
特に失敗してる時は注目が集まりますもんね。
そうそう。
そう、もうだからこれはいいステージだと。ステージに上がってると特になんかDeNAみたいな会社がこの課題を引き起こすということにすごい注目をするので、それは非常にいいステージだと思う。覚悟してやることにしてるわけ。
失敗した時の対処の仕方ってすごく大事ですよね。どう対処するのか、観察しています。
うんうん、そうだね。
見ていてやっぱりこいつだったら逃げない。
そういうことでしかわからないよね。
いい人でいるのはすごい簡単だから、調子が悪い時にどう対処するかって私も見てますね。即座に対処するとか、人としての弱みを出しやすい現象なんだよね。 そういう時にどういった繋ぎ方をするかっていうのは真価が問われるから失敗って人を試す良い機会だね。
そうね。
自分たちが創業した頃から変わらない。経営の本質と時代が変わってもこういうことは今風にアレンジしなければなっていう風に感じるポイントていうのがあれば教えてください。
迷ったら挑戦するっていうか。
その挑戦をし続けたい。
確かにそれの連続。
我々も近いかも。
新しい分野なんかは、やっぱ時代遅れの自分達がやるより若い人たちにやらせればいいかな。
我々が新規市場に参入し続けるから新しい会社が出てこない原因になってるんじゃないか?って言われたことある。
でもやっぱりこれかなってなって飛びつくってことを意識的にやってるんですね?
そうです。 サイバーエージェントを24歳で起業して、最初の20代の方は年下しかいない。つまり全員20歳代でしかも新卒で毎年取っている。だから新卒がメイン。それでも通用するぐらい若い人が活躍できる状況にネットビジネスっていうのは当然あった。
わけがわからない黎明期だった。変わった分野で言うと、ここに来てやっぱりDXをAIなどちゃんと事業を結構作れるような大人じゃないとできなくなってきてる。 最近だとやっぱり起業年齢がちょっと上がってきて、30代前後ぐらい。
新卒で優秀な人材が大企業とか、良い会社に吸い上げられるともう出てこないですよ。中途採用とか人材の流動化とか日本の問題点と言われてますね。
はい。
いい人材を探し続けなきゃいけない。
日本に長年染みついた文化みたいな。それを壊したいんですよね。このままだとだってさ。DXとかトランスフォメーションじゃない? って言葉なんだけど、それをその同じ会社で育った男女の30年選手、40年選手で経営層でやっても私は変えられるトランスフォメーションとかできないってことなんですよね?
うん。
社会が変わったらある程度対応しなければと思うんですけど、ちょっとやっぱりサイバーエージェント一社だけ変えるっていうのは難しいな。うちの会社の役員見ていても本当に優秀な人材は新卒から入ってくるんで。
ちょっと言いますけど、DeNA経営層の一応半分っていうか、メンバーの7割が中途採用なんですよね。新卒採用も命懸けですけど。
続いての質問です。経営者として数々のハードな決断をされてきたと思いますが、どちらを取っても一定リスクがある結論を迫られた時、最後は何を基準にして決められますか? という質問が来てます。
結構異論が出てる可能性があると思うんですけど、基本的に麻雀が結構得意な人はやっぱり、その時々にどっちの選択が得かって場面でいきたい位置があるんですね。 それは局面でどんどんどんどん変わっていくんですけど、その軸となるのはやっぱその局面でトップを取るためにどっちが得か。うちの会社は21世紀を代表する会社を作りたいっていう軸があるんで、それに照らし合わせたり、今年の業績に対して損か得かだと思います。
同じようにいつもその軸からだから今期の業績だったり、ここに対する期待値を案件ごとに引き上げているから別にいつもそれが身に染みついてるから決断する時全然悩まないです。
ありがとうございます。
AかBがあってどっちかしか取れないっていうような状況からすると、やっぱりどっちが世の中にとってデライトを届けられるのかな?っていう。ちょっとこれもうちのビジョンに照らして究極はそれがなって思うんですけど、デライト、私分かるんですけど、改めてデライトってどういうものかっていうのを日本語で言うと喜びって訳されるんだけど、パッと明るくなるような喜びが作れるかどうか。
で、これがないと何のために収益あげてるんだっけ?ってどうして?なってしまうので、もちろん目の前の業績とかも考えてもいるし、みんなの給料っていうのも収益を上げていかなきゃいけない。だって給料払えないわけだから、重量どっちも同じぐらいの可能性があるなという風な時になったり、最終的にはこれを大事にしてどっちが大きな狙いかと思ってます。
でもまずはその地域だったり社会だったり、それのきっかけは基本的にはあの収益が大きくなるっていうことなんで、全く収益的に理想的で意思決定をちょっと難しいんだけど。
でも、この軸を外さなければいいかな。
ありがとうございます。
それぞれいろんな判断軸があると思うんですけど、その中でもこれだなっていう風にそういった判断がされたのか、起業されてからのどのタイミングだったのか、最初からこれを絶対1番に考えようっていう風に思ったのかっていうのを聞きたいです。
まさに24歳で大した学歴とか職歴でもない。そんな大層なものはないって。自分はもうそれで失うものはほぼなかった。
だから会社を起業してうまくいく可能性はもうとんでもない失敗してもゼロが0になる。期待しているとやった方が圧倒的に得だというのが最初からわかっているから。
すごい起業にリスクを感じませんでしたか? とかって言われたんだけど、何言ってんだろう?という風に当時は思っていました。
やっぱり喜ばせるのが助けなのかなと思うんですけど、意外と最初からあのCtoCのサービスをやっていて、カスタマーサービスも自分がやったり、それから難しいクレームにも対処したりしている中で自分たちがね、一番こうワッて湧いて、これまでもずっとこう住所を会社に移してぐらい会社に泊まり込んで仕事をしてるメンバーたちと苦労があった。
ネットも自分たちを生み出したもので喜んでる。お客さんの声が届いた時とか見れた時とかそういう時だったので、それをやっぱり大事にずっと経営してきたっていうところがあって、逆にそう、すごく残念なもの届けてしまったりすると本当に心苦しくなってしまうし、それは大事にしてこの会社があるのかなと。
それをもう会社のミッション、ビジョンを考えようって言った時に言語化した方が良い。デライトライトをDeNAは大切だし、結果としてそういった社員の幸せだったりとか、売上とかお金の部分にもついてくる。人がこう大きな喜び、そのためには頑張ってるのが本当に近いよね。
それがたった1人の人の場合もあるし、世界で3億人くらいやってくれているゲームがあるけど、あの場合もあるし、社会全体の場合もあるだろうし、その広さっていうのはどうだっても割と人のものの中に人を喜ばすとか、役割に近いかな。
エンタメはもちろん。
うちの社員見てても僕自身も立場ありますけど、人の役に立ちたいというのはよく人に送ってんのか? 本当に切実っていうか仕事を通じて誰かの役に立ちたい。そういう事業構想、要素も一切除外して社会貢献かな。
インターネットだとやっぱりその喜びの顔が常に見えるわけじゃないじゃない。
そこまで私たちが球団を取得した時にさっきのね、うーんと湧く時とかを見るとすごいありがたい経験していただいてるなってやっぱそこも守っているスタジアムの社員とか、球団の社員とかの喜びもそこにあって面倒に見えるか見えないの違いでインターネットの先にも必ずそういう方々がいると思うの。
質問は以上になります。本日は ありがとうございました。
最後に起業家、事業家の方やそれを目指す方に向けて簡単にメッセージをいただければなと思います。
藤田さんからお願いします。
株式市場、事業環境がそんな良くない時期に始めて、より引き締まった会社に作れる。 また環境は必ず変わるんで頑張ってください。
はい。ありがとうございます。
南場さんからもお願いします。
同じポイントもあるんですけどね。リーマンショックの前後ってすごく理解して生まれてるんですよね。世界のね。 今そこまでひどいとは言わないけれども、とかっていうことでその様子を見るっていうしてはないとただそれで迷う程度ならやんなくていいんじゃないかなっていうこと。
本当に夢中を大事にしてほしいなと思って。いろんな要素で今が新しくないんじゃないかとか。冷静にこう考えてやらない。 どうしようかな?っていうくらいのエネルギーだと乗り越えられないこともあるし、せっかく起業の醍醐味を楽しめるとかわからないから。