これは脅迫です。
手法としては文春ではなく総会屋に近い。
文春は暴露するぞするぞなんて脅迫はしません。
いきなり記事を書きます。
文春を金儲けで人を陥れていると批判しているひとがいるが、一応、企業家のひとりとしてコメントすると、調査報道なんて金儲けとしては割に合いません。だったら、みんなもっとやっているでしょ。
文春でギリギリ成り立っているぐらいであって。賛否両論あるにせよ、信念でやっていると思います。
文春の件で思い出した昔話を書く。
僕がカドカワの社長になって、いろいろな業界の先輩方に挨拶にまわっていたときに、あるひとからのアドバイス。
他国を攻撃できる軍隊を持たない日本のように、KADOKAWAは武力をもっていない出版社だ。
武力とはあるタイプの週刊誌とかで、企業や政治の不正やゴシップとかをスクープを扱う。
一流の出版社はみんな武力をもっている。上で殴りながら、下では握手する。そういうもので世の中は成り立っているし、そうやって出版業界は権力から言論の自由を守ってきた。
KADOKAWAも真に一流の出版社になりたいのだったら武力をもったほうがいい、と。
そのあとに付け加えていった言葉が面白かった。
ところで出版業界には2つ、まったく握手をせずにひたすら相手をなぐりつづける会社が存在する。
文藝春秋と新潮だ。
このふたつは、まったくなにを考えているのか理解できない。
この話以来、文藝春秋社と新潮社のファンになりました。
理屈ばっかりの世の中で、合理性がない行動を貫き通し世の中に平然と居続ける存在って素敵じゃないですか?