# 玉響ゲートからの逃亡劇――カルロス・ゴーンが日本を出国できた理由



# 玉響ゲートからの逃亡劇――カルロス・ゴーンが日本を出国できた理由

カルロス・ゴーンは、日産自動車の会長兼CEOとして、世界的な経営者として知られていました。しかし、2018年11月に、金融商品取引法違反の疑いで逮捕されました。その後、保釈されたものの、裁判を待つ間に外出制限や監視カメラの設置などの厳しい条件が課されました。しかし、2019年12月29日に、ゴーンは日本から逃亡しました。その手口は、まるで映画のようでした。ゴーンは、関西空港のビジネスジェット専用施設「玉響ゲート」から出国したのです。玉響ゲートとは、どのような施設なのでしょうか?そして、ゴーンはどのようにして玉響ゲートから出国できたのでしょうか?

## 玉響ゲートとは

玉響ゲートとは、関西空港にあるビジネスジェット専用の施設です。ビジネスジェットとは、小型の民間機で、個人や企業が所有したり、チャーターしたりして利用する飛行機のことです。玉響ゲートでは、ビジネスジェットの利用客に対して、専用の保安検査場、税関、出入国管理、検疫などのCIQ施設を提供しています。また、受付カウンター、待合ラウンジ、会議室なども完備されており、プライバシー性の高いサービスを受けることができます。玉響ゲートは2018年6月15日にオープンしました 。玉響という名前は、「時間を大切にされるお客さまに少しでもこの空間で有意義に、またほんのひとときであっても、玉(宝物)のように素晴らしい時間を過ごしていただきたいという気持ちを込めて名付けました」というコンセプトから来ています。玉響ゲートは24時間運用しており、利用料金は20万円(税別)です 。利用希望日の前日正午までに申し込みが必要です 。

## ゴーンが玉響ゲートから出国できた理由

カルロス・ゴーンが玉響ゲートから出国できた理由は、以下のようなものが考えられます。

- 玉響ゲートは、ビジネスジェットの利用客に対して、専用の出入国手続きや検査を行う施設です。一般の旅客とは別の専用扉があり、大型車などを横付けすることもできます 。これにより、人目を避けることができます。
- ゴーンは、高さ1メートルを超える大型の箱に隠れて、プライベートジェットに乗り込んだとされています。この箱は、楽器や音響機器などを運ぶためのもので、保安検査や税関検査でX線検査はされなかったという関係者の証言があります 。これにより、身分を隠すことができました。
- ゴーンは、トルコを経由してレバノンに渡ったとみられています。レバノンは、日本とは犯罪人引渡し条約を結んでいない国です。これにより、日本からの追及を逃れることができました。

以上のように、玉響ゲートの特徴やゴーンの工作によって、日本から逃亡することが可能になったと考えられます。ゴーンは現在もレバノンに滞在しており、日本への帰国は見込めません。ゴーンは自らの無実を主張し続けていますが、日本の司法制度への批判も強くなっています。ゴーン事件は、日本の法治や国際社会との関係にも大きな影響を与えることでしょう。