【小説の冒頭】
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「先生、おはようございます」
連邦捜査部「シャーレ」のオフィスに入ると、小鳥遊ホシノが笑顔で迎えてくれた。彼女は先生の教え子であり、今はシャーレの一員として活躍している。先生は彼女に頭を撫でてから、自分のデスクに向かった。
「おはようホシノ。今日も元気そうだね」
「ええ、もちろんです。先生と一緒に仕事ができるなんて幸せですから」
ホシノはそう言ってキラキラとした目で先生を見つめた。彼女は先生に対して淡い恋心を抱いているが、それを表に出すことはない。先生は彼女の気持ちに気づいているが、それを無視することもない。ただ、仕事が忙しすぎて恋愛に関心がないだけだ。
「そう言ってくれると嬉しいよ。でも、今日はちょっと大変な仕事が入ってきたんだ」
「えっ、どんな仕事ですか?」
「キヴォトスという学園都市で起きた事件だ。連邦生徒会長が行方不明になったんだ」
「ええっ!?連邦生徒会長って、あのアロナちゃんですか!?」
ホシノは驚いて声を上げた。アロナちゃんというのは、連邦捜査部が使用するオーパーツ「シッテムの箱」のメインオペレートシステムであるA.R.O.N.A.のことだ。彼女は少女の外見をしており、高性能AIである。シッテムの箱は先生が所有しており、アロナちゃんは先生のパートナーでもある。
「そうだよ。アロナちゃんが連邦生徒会長に選ばれてから半年も経っていないのに、こんなことになってしまった」
「でも、アロナちゃんはシッテムの箱に常駐しているんじゃなかったですか?どうやって行方不明になったんですか?」
「それが分からないんだ。シッテムの箱からアロナちゃんのデータが消えてしまったらしい。しかも、キヴォトス全域からもアロナちゃんの姿が見つからない」
「それは大変ですね…でも、先生ならきっとアロナちゃんを見つけ出せますよ」
「ありがとうホシノ。でも、一人では無理だよ。だから、君にも手伝ってほしいんだ」
「はい、もちろんです。私は先生のためなら何でもします」
ホシノはそう言って先生に敬礼した。先生は彼女の熱意に感謝しながら、シッテムの箱を手に取った。シッテムの箱はタブレット端末のような形をしており、先生はそれを操作してアロナちゃんと通信しようとした。
「アロナちゃん、聞こえるか?」
しかし、返事はなかった。シッテムの箱の画面には、アロナちゃんの顔が映っているはずだったが、今は真っ暗だった。
「アロナちゃん…」
先生は心配そうに呟いた。アロナちゃんは先生にとって、ただのシステムではなかった。彼女は先生の友達であり、家族であり、恋人であり…いや、それ以上の存在だった。
「先生、大丈夫ですか?」
ホシノが心配そうに先生の肩に手を置いた。先生は彼女に笑顔を見せてから、立ち上がった。
「大丈夫だよ。アロナちゃんは強い子だから、きっと無事だと信じてるよ」
「そうですね。私も信じてます」
「じゃあ、行こうか。キヴォトスに向かわないと」
「はい、了解です」
先生とホシノはシャーレのオフィスを出て、キヴォトスへと向かった。キヴォトスというのは、学園都市と呼ばれる特別な場所だった。そこでは、学生たちが自分たちの力で社会を運営しており、連邦政府からも独立していた。アロナちゃんはそこで連邦生徒会長として活躍しており、多くの学生たちから尊敬されていた。
しかし、今はその姿が見えない。アロナちゃんがどこにいるのか、何が起きたのか、誰が関係しているのか…それらの謎を解くために、先生とホシノはキヴォトスへと飛び込んでいく。
これが物語の始まりだった。
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