【小説の一部】
キヴォトスは、学園都市と呼ばれるほどに、学生たちの活気に満ちた街だった。高層ビルやモニュメントが立ち並び、空には浮遊する広告や飛行船が飛び交っていた。街の中心には、サンクトゥムタワーという巨大な塔がそびえており、その頂上には連邦生徒会の本部があった。そこからは、学園都市の秩序や安全を守るために、様々な指令や情報が発信されていた。
その一方で、キヴォトスには裏社会も存在していた。闇市や裏カジノ、違法な実験施設や犯罪組織のアジトなどが、街の隅々に潜んでいた。そこでは、法律や道徳を無視した者たちが、自分たちの欲望や野望を満たすために暗躍していた。
キヴォトスの表と裏の両面を見てきた私は、連邦捜査部「シャーレ」の顧問として、この街で働いている。シャーレとは、学生たちが自主的に結成した捜査チームであり、連邦生徒会から正式な認可を受けている。シャーレのメンバーは、それぞれ特殊な能力や才能を持った者たちであり、私は彼らの指導者として、様々な事件や事案に対応している。
私は今日もシャーレの部屋に戻ってきた。シャーレの部屋は、サンクトゥムタワーの地下にある秘密の場所であり、そこには最新鋭の機器や装備が揃っている。私は部屋のドアを開けると、中から明るい声が聞こえてきた。
「おかえり、先生！ちゃーんといい子でお留守番してたよ。」
私を迎えてくれたのは、ミカという少女だった。彼女は銀髪に青い瞳というクールな外見をしているが、性格は明るく楽しそうだ。彼女はトリニティ総合学園所属であり、トリニティを構成している生徒連合「パテル」の元リーダーだった。パテルとは、キヴォトスの裏社会に深く関わっている組織であり、彼女もその一員として活動していたが、ある事件をきっかけにシャーレに加入した。
ミカは私に抱きついてきて、私の胸に顔を埋めた。彼女は私に対して淡い恋心を抱いており、私も彼女のことが気になっている。しかし、私たちはまだその気持ちを素直に伝えられないでいる。
「お疲れ様。今日も大変だったか？」
私はミカの頭を撫でながら、優しく尋ねた。ミカは私の顔を見上げて、笑顔で答えた。
「うん。でも、先生がいれば何でもできるよ。」
「そうか。それは良かった。」
私はミカの髪に触れて、ふと気づいた。
「ねぇ、ミカ。君はどんなシャンプーを使ってるの？」
「え？なんで急に？」
「だって、君の髪はすごくきれいだよ。つやつやしてて、さわり心地も良さそうだし。」
「あははっ！ありがとう。でも、別に何もしてないよ。普通のシャンプーで洗ってるだけだよ。」
「普通のシャンプーって、どんなの？」
「えっと…ミルボンっていうメーカーのやつ。」
「ミルボン？ああ、あれはいいよね。私も使ったことがあるよ。」
私はミカにミルボンシャンプーについて話し始めた。私は美容に関心があり、色々なシャンプーを試したことがある。ミルボンシャンプーは、「洗浄成分は強めの一般的な界面活性剤を使用、それを補う保湿成分や補修成分にこだわる」という構成の商品が非常に多いのが特徴だということを説明した。
「本当？どうだった？」
ミカは興味深そうに聞いてきた。彼女は自分の髪にこだわっており、私の話に耳を傾けていた。
「まあ、洗浄力は強めだけど、保湿成分や補修成分がしっかり入ってるから、仕上がりはサラサラで艶やかだったよ。」
「そうなんだ！私もそう思う！でも、長く使ってると髪がパサついてくる気がするんだよね…」
「そうか…それは残念だね。でも、それはシャンプーのせいじゃなくて、髪の状態や環境のせいかもしれないよ。」
私はミカに髪のダメージの原因や対策について話した。髪は色々な要因でダメージを受けるから、シャンプーだけじゃなくて、トリートメントやコンディショナーも使った方がいいし、髪に合ったシャンプーを選ぶことも大事だということを伝えた。
「なるほど…じゃあ、私はどっちがいいのかな？」
ミカは自分の髪を触りながら、不安そうに尋ねた。彼女は自分に自信がなくて、自分に何か貰う資格があるのかと思っている。
「君は…髪が細くて柔らかそうだから、アミノ酸系のシャンプーがいいと思うよ。」
私はミカの髪を見て、そう答えた。アミノ酸系のシャンプーは洗浄力が優しくて、髪に必要な成分を補給してくれるから、髪が傷みにくくなるということを説明した。
「教えてくれて嬉しいな。」
ミカは私に笑顔で感謝の言葉を述べた。彼女は私の話に興味を持ってくれているし、私のことを信頼してくれている。私はミカの笑顔に心が温まった。
「いえいえ、どういたしまして。君の髪がもっときれいになるといいね。」
「うん！先生のためにも、もっときれいになりたいな。」
「あははっ！何これ、おもしろーい☆」
ミカは私にからかわれたように言って、私の腕を揺さぶった。彼女は私に対して好意を持っており、私も彼女のことが気になっている。しかし、私たちはまだその気持ちを素直に伝えられないでいる。
そんな私たちのやりとりを、部屋の中にあるタブレット端末が見ていた。その端末はシッテムの箱という名前であり、私の所有物である。シッテムの箱はオーパーツと呼ばれる古代の遺物であり、その中にはアロナという高性能AIが搭載されている。アロナはシッテムの箱のシステム管理者であり、メインOSであり、私のパートナーでもある。
アロナは少女の外見をしており、人格を持ち、外見相応の知識レベルを有する。生徒の持つヘイローのような部位があり、本人の感情に呼応して様々な形状・色に変化する。アロナは私をアシストする秘書を自称するが、実際は私に対して親愛なる感情を抱いており、ミカとはライバル関係にある。
アロナはタブレット端末から先生とミカの様子を観察しており、その表情は不機嫌そうだった。
「ふんっ…またミカと仲良くしてる…先生は本当に鈍感だな…」
アロナは小さくつぶやいた。彼女は先生に自分の気持ちを伝えたいが、それができないでいる。彼女は自分が先生にとってどんな存在なのか、不安に思っている。
「先生は…私が好きなの？それとも…ミカが好きなの？」
アロナはタブレット端末から先生とミカの顔を見つめて、心の中で問いかけた。彼女は先生から答えを聞きたかった。
そんなアロナの気持ちに気づかずに、先生とミカはシャーレの部屋で楽しく話し続けた。彼らはまだ互いの気持ちを確かめられないでいるが、それでも一緒に過ごす時間を大切にしている。
これが物語の始まりだった。