例えば、以下のようなものがあります。
【長掌筋】
手首にある余分な筋肉で、ほとんどの人には必要ない。この筋肉は、昔のヒトが木にぶら下がっていた時代の名残りです。
【首】
首が長すぎて気道と食道が交差しているため、食べ物や飲み物を誤って気管に入れてしまうことがあります。
これは、ヒトが直立二足歩行をするようになったことで頭が下向きになり、喉頭が上昇した結果です。
【眼】
眼は逆さまに作られており、網膜の裏側に光を感知する細胞があります。
そのため、網膜には視神経が出る穴があり、そこでは光を感知できません。
これは、盲点と呼ばれる視野の欠けた部分を作り出します。
【腰痛】
直立二足歩行のため、腰に負担がかかりやすく、椎間板ヘルニアや腰椎分離症などの原因になります。
これは、ヒトの祖先が四つん這いから直立二足歩行へと移行した際に、脊椎や骨盤の形が完全に適応しきれなかったことによります。
【必要栄養素】
ヒトはビタミンCやビタミンB12などの必要栄養素を自分で合成できません。
これは、遺伝子の変異や腸内細菌との共生関係の変化などによって失われた能力です。
【出産】
ヒトは大きな頭蓋骨を持つ赤ちゃんを産むため、出産時に多くの苦痛や危険を伴います。
これは、ヒトの頭蓋骨と骨盤のサイズが進化的にバランスを取れなかったことによります。
以上のように、人体には理解しがたいバグが多く存在します。
これらは、進化が合理的な目的を持って進むものではなく、その時々でうまくいったものが広がるという刹那的プロセスであることを示しています。