「制裁裁判」

5月30日、大阪地方裁判所で開かれた刑事裁判を録音しようとした被告の弁護士が、裁判官の退廷命令に従わず、手錠をかけられて強制的に退廷させられ、裁判所から法廷内の秩序を乱したとして、「制裁裁判」という手続きで、過料3万円を命じられたとということです。

弁護士は不服として大阪高等裁判所に抗告するとしています。

大阪弁護士会に所属する中道一政 弁護士によりますと、30日、担当しているストーカー規制法違反の罪に問われている被告の裁判で、正確な記録を残そうとICレコーダーで録音しようとしましたが、裁判官から「許可しない」と告げられて退廷を命じられ、従わなかったところ、手錠をかけられ強制的に退廷させられました。

裁判所は、このあと、「法廷等の秩序維持に関する法律」に基づいて、中道弁護士が退廷命令に従わず、法廷内の秩序を乱したなどとして「制裁裁判」という手続きで過料3万円を命じたということです。

中道弁護士は、「録音を不許可とした理由を裁判所は説明せず、納得がいかない」と話し、制裁裁判については、大阪高裁に抗告するとしています。


【地裁“コメント差し控える”】
法廷内で録音を行うには裁判所の許可が必要で、大阪地方裁判所は中道弁護士への対応について、「個別の事件についてのコメントは差し控える」としています。

一方、今回の「制裁裁判」という手続きは、大阪地方裁判所では、去年までの10年間(2013年〜2022年)で、3件行われたということです。