他人のクレジットカード不正利用で宝くじ錬金術

クレジットカードの不正利用が年々増加しており、昨年2022年の被害額は過去最悪の430億円超だったという。

なぜここまで増えているのかといえば、「フィッシング詐欺」の増加によるもので、同詐欺の報告件数も過去最高の96万件以上とのこと。

迷惑メール評論家として、さまざまな危ない橋を渡りまくっているからだと思うが、私も最近、クレジットカードを不正利用されてしまった。

それはわりといつものことなのであるが、「買われたモノ」が非常に異質で、考えれば考えるほど巧妙だな……と思うのである。

何を買われたのかといえば、なんとまさかの「宝くじ」である。

クレジットカードの利用履歴を確認すると、「宝くじ公式サイト」から4回にわたり、9000円ぶんの宝くじが購入されていたのだ。合計3万6000円ぶん。

すぐさまクレジットカード会社と、宝くじ公式サイトに連絡し、とりあえず3万6000円は「一度引き落とされるが、後日補充される」ということになったが、実に「巧妙だなぁ……」と思うのだ。


・巧妙アンド巧妙

まずこれ、いちばんの被害にあっているのはクレジットカード会社だと思われる。

私が被害者なのではなく、クレジットカード会社が金銭的な被害にあっているのかなと。

さらに巧妙だなと思うのは、私のクレジットカードを不正利用した犯人がオンラインで買った宝くじを、番号等で追跡するのは難しいのではないかな……と思ったりもするのだ。

やろうと思えばイケる気もするが、けっこう途方もない追跡になりそうな予感。

もっとも、たかが被害額3万6000円で警察が動いてくれる可能性は極めて薄く、事実上クレジットカード会社だけが被害にあっていることからも、なかなか事件になりにくい気もする。

仮に「もしも当選した場合」であるが、宝くじ公式サイトによると


購入~受取までネットで完結。当せん金は、登録した当せん金受取口座に自動でお振り込みいたします。


とあるので、わざわざ銀行に出向く必要もないと思われる。もちろん「当せん金受取口座」なんて、乗っ取ったか、闇市場で買ったかの口座であろうから、そう簡単に足もつかない。

しかもだ。その当選金は、なんというか「綺麗な金」。購入資金は他人のクレカの不正使用という「ヤバイ金」なのに、出てくるお金は綺麗に洗浄された「当選金」なのである。

宝くじにハズレたところで痛くも痒くもないだろうし、当たったらラッキー&自動的に綺麗な金が振り込まれてくる。口座から別口座に移動させたり、引き出したりして、口座は捨ててトンズラであろう。