局長の実質的な人事権は局長会が握っている

日本郵便の人事は、約2万人の郵便局長が所属する任意団体「全国郵便局長会」の序列と連動して決まる慣習がある。

「局長の実質的な人事権は局長会が握っている。権力者に逆らうと追放され、局長を続けられなくなる」

「通報したら特定される危険があった。どうせ調査してくれないと諦めていたので、不正を知っていても通報しなかった」

「不適正募集にかかわる件数が少なく、不適正募集の疑いの早期発見という観点からは、機能していたとは評価しがたい」

日本郵便の社内規定は、コンプライアンス(法令順守)違反を知った社員に会社への報告を義務づける。通報者の秘匿性は担保され、通報者に不利益を与えた場合は厳正に対処するとしている。

関係者によると、同県直方市で局長を務めていた前統括局長の息子に関する社内規定違反の情報が複数の局員から寄せられ、被害者の男性局長は2018年に日本郵便本社の内部通報窓口に実名で通報。

通報されたことを知った前統括局長は19年1月下旬、男性局長を呼び出し、通報したことを認めるよう脅迫した疑いが持たれている。