「その口を閉じろ!!人の言葉を話すな、穢土を纏うケダモノめ!!」
「総主教メディオラはどうなるのか?」と尋ねられ「……最善を尽くす」と回答した後の流れ。みんなも傀儡として持ち上げた人物が用済みとなって切られそうになったら、たった一人でも味方してあげような。
異教徒どころか同じ神を信じる者とも全然上手くやっていけないので初期配置から周りは敵だらけ
単純な狂信者ではなく、それなりに考えて行動していたことがわかります。「騎士団が異教徒に勝ち続ける事実は、民にとって神の実在を示す恩寵である」という自己認識の元に動いてたっぽく、わりと社会派だったりする一面もある。
アハルエドジェさんは、研究のためならわりと善悪なくルビコン河をサラッと渡ってしまうタイプ。後日も「私は作りたいから作ったのであって、その後の使い方は考慮しない。そりゃあ、出来上がったものに対して人それぞれの意図や思惑は絡むだろうよ」と平気で言い放つなど、わりとやりたい放題の科学者の鑑。予算の私的流用とか言われて一旦牢まで入れられているのもアツい。あえて低いカタログスペックを少ない予算で出しておいて、上も引っ込みがつかなくなったところで追加予算を要求するテクニック、我々も真似していくしかない。
立ち位置的に武官との仲が悪く、性格も優秀さ故の傲慢なところもあり石田三成的なタイプで、個人的にハルスベで一番好きなキャラ。サラリーマンやってると、この手の人間が汗をかいて組織を回していることがわかってくるので、組織人的にはわりとシンパシーを感じてしまう。戦場でも官僚らしく持って回った言い回しを使うが、民兵が「なぁ、大臣様は何を言っているんだ?」と言っているのに気づくと、「功をなせ!!ぶっ殺せッ!」と開き直る場面もありかわいい。
ところが、クールな閻証聖も戦局が不利になってピンチに陥ると「助けて姉さん!」と叫び、本当は証聖の方も姉に依存している節がある。
コスタ皇帝ミシェル・ブーランジェは、時勢に乗って将校から皇帝まで上り詰めた人民の英雄。内戦をコスタ主導で終わらせるべく聖都へ遠征するが、そこで総主教の遺体が収まった棺を目撃する。既に総主教庁の軍は首のない死体として動き回っていただけだった。ラベリヤ教と関係性を築き、内戦の主導的立場を築こうとする目論見は外れ、遠征の目的は失われた。そこに南下してきたカレリア皇帝軍と戦闘になるが、戦う意味はもはやない。
戦史モード『二帝明暗』は、途中でコスタ(フランス)側に増援が来ることや、終盤にコスタが中央突撃をしてくることからアウステルリッツの戦いがモチーフと思われる戦い。ここでは、カレリアの専制君主ジャッキとコスタ皇帝ミシェルのやりとりに良さみがあるんすよ。
共和制の強国コスタは、古い議会制を抱えて集権も変革もないまま領土だけが拡大し、その結果で吸収した人々は思想の統合もなく様々な主義主張を持ち、国内で好き勝手に振る舞うが、大衆の人気者である英雄ミシェルが勝利するという一点についてのみ国がまとまることができる。コスタ後半のシナリオは、人々の期待に答え続けなければならないポピュリスト権力者の悩みを上手く描けてるんよね。
一方、強力な専制君主制を敷くカレリア帝国ではそんな問題は起きない。むしろ軍隊は人々のためのツールというよりも国家そのものという概念に近いと言う。ルーリアン公国(カレリア帝国の旧名)シナリオやると、ルーリアン自体が戦争やるための国家みたいなものなので、その考え方になってしまうジャッキの気持ちもわかる。ハルスベ、結構キャラクターの考え方は一貫してるんよね。
体制に担保された権力と、人気に担保された権力の強みと弱みという話は現代でもちょくちょく見るような話です。
ラベリヤ教国が力を失い、傭兵が聖都に闖入する中、ラベリヤ総主教メディオラは信徒の信仰を守るために自らの撤退を拒絶。その生死は棺の中に伏された。閉じられた棺を誰にも開けさせないため、アルケーは聖都を守る。
戦争は勝つだけでなく兵を失わないように勝つ必要がありますし、多面作戦は資金が持たないので外交にも気を使っていく必要があります。