「なぜ真面目に働いているのにどんどん生活が苦しくなるの?」

「なぜ真面目に働いているのにどんどん生活が苦しくなるの?」これは今日の日本人が直面している深刻な問題です。その背景には少子高齢化とか中国というライバルの台頭などの要因も働いていると思います。しかしそれと同様、あるいはそれ以上に大きな要因としてテクノロジーを挙げるべきでしょう。

いまテクノロジーが社会を変えているので、そもそもテクノロジーとは何か?を理解する必要があります。今日のテクノロジーは情報技術にまつわるテクノロジーです。つまりCODE。それを理解するため、いまから150年まえに起きたテクノロジー革命の例を出して説明します。

当時は鋼鉄が発明され、それが鉄道、橋梁、高層ビルなどのビルディング・ブロックとなり、社会を変えました。全米が鉄道で結ばれたため、ローカル市場だけではなく全国市場、世界的な市場が出現しました。つまり中西部で収穫された穀物は鉄道で欧州市場へと出荷することが可能になったのです。

これにより消費財の世界でも「全国ブランド」が登場しました。人々は職を求めて大都会に出てゆきました。そこには高層ビルが出現しました。

技術の進歩は明るい未来への希望を人々に植え付けました。これは最近の若者がCODEで明るい社会を作ることを夢想するのとまったく同じノリです。当時、それは「工業化精神」と呼ばれました。いまなら「テクノロジーが社会を変える!」というスローガンがそれに該当します。

しかしテクノロジーはすべての国民の生活水準を浮揚しませんでした。むしろ格差が拡大し、ギルテッド・エイジ(金ぴか時代)をもたらしました。つまり上位1%が全米の富の過半数を牛耳るような社会になったのです。

労働運動の指導者、ヘンリー・ジョージは『進歩と貧困』という本を1881年に出版します。そこで彼は貧困は個人の責任ではない。社会の仕組みがアンフェアなのだ!と主張します。そして社会を変えるべく政治の世界に身を投じますが、社会は変わらなかった。

CODEはコストが殆どかからないです。しかしひとたびプラットフォームを構築し、皆がそれを使い始めれば圧倒的な市場支配力を持ち、競争相手は淘汰されます。つまり「完全にアンフェアな競争条件」を創り出しやすいのです。小売店がアマゾンにだんだん取って代わられているのは、その端的な例です。

だから我々が就職する際や起業する際に問うべきことは(この仕事はCODEに置き換えられるか?)ということです。ホワイトカラーの労働者のやっている業務のかなりの部分はCODEに置き換えることが可能です。しかしあなたの「キャラ」はCODEには置き換えにくいです。

日本型企業は工業化社会の当時にデザインされた組織になっているのでCODEの時代にはついてゆけません!

こんにちの社会のビルディング・ブロックがCODEである以上、それとどう付き合ってゆくか?という視点を持たないビジネスは全て淘汰されると思います。