レオパレスの「ネットキャッシュ倍率」

レオパレスのネットキャッシュ倍率は「割安」


キャッシュの度合いを測る指標に、「ネットキャッシュ倍率」がある。ネットキャッシュとは、現金と有価証券など手元流動性資金から有利子負債を引いた金額のこと。時価総額をネットキャッシュで割ったネットキャッシュ倍率が「小さい」ほど、蓄えている現金や預金が有効に活用されてない企業として、M&Aなど企業買収のターゲットになりやすい。


レオパレスの2019年3月末時点の現金および現金同等物は、前年より約150億円減少したものの830億1900万円。有利子負債は480億4500万円であるから、ネットキャッシュは349億7400万円ある。


<ネットキャッシュ倍率の計算式>


・ネットキャッシュ=830億1900万円―480億4500万円=349億7400万円


・ネットキャッシュ倍率=489億7640万円 ÷ 349億7400万円=1.4倍


レノの買い占めが明らかになった5月初旬の株価は約200円。200円時点での時価総額は489億7640万円であるから、ネットキャッシュ倍率は1.4倍だ。


ネットキャッシュ倍率が1倍割れということは、理論上、その企業の全株式を買えば、買収額より高い現・預金を得ることができるということになる。株価が200円時点のレオパレスのネットキャッシュ倍率1.4倍というのは、1倍に近い水準なので、割安感が強いと考えられるのだ。