【藤田晋】ダラダラとやり続けるのが一番最悪


黒田 経営の経験の長い藤田さんに具体的に聞いてみたいのですが、結果が出ていないチームや組織を変えるために必要なことは何だとお考えですか?

藤田 例えばですが、サイバーエージェントだと「KKK会議」と呼ばれている「企業価値改革会議」があります。

業績が悪化している関連子会社や部署内の事業をKKK会議に送って、第三者が分析、事業をやめるか、トップを代えるか、存続させるか……いずれにしても何らかの決断を出さないといけません。

ダラダラとやり続けるのが一番最悪です。一度ちゃんと審査して存続という決断ならそれでいいのですが、いずれにしても何か手をつけなければいけません。

ただ、サッカーチームというのは毎週が天王山みたいなものです。あれはキツイですよ。

J1昇格プレーオフの決勝戦(2023年3年12月2日、国立競技場、東京ヴェルディが引き分けてJ1昇格)のような試合であれば誰でも熱弁が振るえると思いますが、毎週のリーグ戦の勝負どころで、その間に天皇杯やカップ戦が入るのにもかかわらず、言葉を変えながら伝えるというのは難易度が高いです。

黒田 私から藤田さんへ問い合わせることはほとんどなかったです。

チームのことになるとフットボールダイレクターの原さんがいるので、彼の立場、責任、プライド、または彼の面目などいろいろなものを立てなければいけません。

この関係性の秩序を乱すということは絶対にしてはいけないと思っています。藤田さんへの連絡は、誕生日に「おめでとうございます」とメッセージを送るとか、それくらいですかね。

藤田 お金がかかる時に原さんからは連絡がきますけど(笑)。

それ以外はやはり専門性をちゃんとリスペクトしているのでお互いに余計な口を出さないようにしています。試合に負けた時とか特に会わず、監督も会いたくないかなとか気を遣ってサッといなくなるようにしてますね。