【NEXON】20年目の『メイプルストーリー』過去最高収益


ネクソンコリア、23年12月期決算は最終益106%増の1330億円と大幅増益 20年目の『メイプルストーリー』過去最高収益、『FC ONLINE』も

ネクソンコリア(NEXON Korea Corporation)の2023年12月期の決算(IFRS)は、売上収益3186億1900万円(前の期比25.0%増)、税引前利益1587億4300万円(同82.2%増)、最終利益1330億4400万円(同106.0%増)と大幅増益だった。

・売上収益:3186億1900万円(同25.0%増)
・税引前利益:1587億4300万円(同82.2%増)
・最終利益:1330億4400万円(同106.0%増)

ネクソン<3659>グループの中核企業で、PCオンラインゲーム及びモバイルゲーム開発・配信を主な事業内容としている。驚くべきことに『メイプルストーリー』が20年目に入って過去最高の収益をあげたほか、『EA SPORTS FC ONLINE』も最高売上を達成したという。

ゲームタイトルの独自開発を行うほか、韓国内の他社開発ゲームをグループを通じて各国市場に展開するほか、韓国国内のゲーム開発会社への投資や管理も担当している。

業績推移は以下のとおり。売上高は過去最高となった。利益は、異常値のような水準が出た年を除くと、順調に伸びていることがわかる。



なお、ネクソンコリアは、韓国版「メイプルストーリー」については、「特定の主要な確率型アイテム」の販売を終了したという(現金ではなく、ゲーム内通貨で利用できるものに変更)。ガチャに相当するものだが、短期的に収益が落ちると想定されるものの、プレイヤーの満足度とエンゲージメントが上がることで長期的にはプラスの効果が働くと考えているとのこと。

ネクソン<3659>は、2023年12月期の研究開発費について、前の期比5.1%減の246億1800万円だったと発表した。前年比ではマイナスとなったものの、高水準の研究開発費が続いている。

同社グループでは、基礎研究や新技術開発等のいわゆる研究開発に相当する活動を行っていないため、独立した研究開発組織を有していない。

同社グループにおいては開発しているオンラインゲームが企画から商用化までの過程を「研究開発」と捉えており、グループ内の開発人員が通常の開発業務の中で行っているという。

内訳は、韓国が同8.8%減の186億9500万円、北米が同14.7%減の29億0900万円、その他が同25.2%増の32億0100万円だった。

同社は、韓国の比重が重かったが、世界各地の開発スタジオへの投資を行っていることもあって、北米や欧州などの比率が徐々に増えている。

増加が目立つのは「その他」だった。この期では、スウェーデン・ストックホルムのEmbark Studiosが『THE FINALS』をリリースした。


ネクソン<3659>グループのNEOPLE(ネオプル)の2023年12月期の決算は、売上収益938億0400万円(前の期比2.5%減)、税引前利益810億8000万円(同9.8%増)、最終利益612億7300万円(同10.6%減)だった。

・売上収益:938億0400万円(同2.5%減)
・税引前利益:810億8000万円(同9.8%増)
・最終利益:612億7300万円(同10.6%減)

同社は、ネクソンコリアの子会社で、PCオンラインゲームとモバイルゲームの開発を行っている。『アラド戦記』(Dungeon&Fighter)の開発元として知られており、Tencentなどにもライセンスアウトを行っている。異様に高い利益率はライセンス収益がメインを占めるためと見られる。

業績推移は以下のとおり。



テンセントホールディングは、3月20日、中国本土で絶大な人気を誇る『Dungeon & Fighter(アラド戦記)』のモバイルゲーム『アラド戦記モバイル』を2024年第2四半期にリリースするようだ。2月に実施したクローズドβテストが成功を収め、いよいよ正式サービスに向かうという。

開発元であるネクソン<3659>は『アラド戦記モバイル』について中国でサービスするために必要なISBNライセンスが付与されたこと、テンセントと協力して、できるだけ早くゲームをマーケティングし、リリースしていく計画を立てているとしている。

このほか、ポテンシャルの高いタイトルとして、大ヒット作品『Honour of Kings』をベースにした対人格闘ゲーム『Honour of Fight』、オープンワールドのレーシングゲーム『Need for Speed』、人気作品『ONEPIECE』をベースにしたストーリー主導の格闘ゲームをあげた。

なお、同社の発表した2023年12月通期の決算は、売上高が前の期比10%増の6060億元(860億ドル)、IFRSベースの営業利益が同44%増の1601億元(226億ドル)、最終利益が同39%減の1152億元(同163億ドル)だった。

SNSや国内ゲームが落ち込んだものの、フィンテックや広告などの事業領域が伸びた。海外ゲームもわずかに伸びたとのこと。

国内ゲームについては、『VALORANT』や『Lost Ark』がヒットしたが、Honour of KingsやPeacekeeper Elite(PUBGの国内版)がダウンしたことで相殺されたという。また、海外ゲームは、『PUBG Mobile』が引き続き回復し、『VALORANT』は堅調な成長を維持したとのこと。