HDRとは「High Dynamic Range」

 真っ先に押さえておきたいトレンドが「HDR」への対応だ。

HDRとは「High Dynamic Range」の略で、昨今のテレビ売り場などでもよく見かけるようになってきた用語だ。

 ダイナミックレンジとは、「階調性を保ったまま破綻なく表示できる明暗差の幅」を意味する。

つまりダイナミックレンジが高いと、明るい色調の部分から暗い色調の部分まで、白飛びや黒つぶれすることなく滑らかに表示できる。

 例えば、夕焼け空の映像を見ると、太陽は光っているのでまぶしいが、空自体は暗くなりつつあり、大きな明暗差がある。このような映像をダイナミックレンジの狭いディスプレイで表示すると、太陽の部分は白飛びし、夕暮れの空の部分は黒つぶれして、実際のリアルな風景とは異なる印象になってしまいがちだ。

 最近のディスプレイはより高輝度、コントラストが飛躍的に上昇しているため、明るい部分はより明るく、暗い部分もしっかりと表示できる能力がある。肉眼で見る景色により近い映像を実現するには、従来の「SDR」(Standard Dynamic Range)では力不足となるため、HDRが規格化されたのだ。