各祭りの主催者側との窓口役を担う同組合を介し、露店の「売り子」らに1店舗当たり数万円の「ショバ代(場所代)」も納めさせていたという。
裾野、御殿場、沼津、三島、富士宮各署と県警捜査4課は容疑者が出店場所などの決定権を持っていたとみて捜査している。
桜井総家は、2005年に消滅した沼津市を本拠とする指定暴力団の一部組員で構成。
露店経営を資金源としてきた指定暴力団の流れを継ぎ、「庭主」と称して同組合を実質支配してきたとされる。
県警によると、容疑者は10代目トップで、詐欺罪で起訴されている、共に指定暴力団山口組藤友会組員で無職の男(66)=裾野市深良=、男(77)=富士市中里=両被告の露店分を含めた出店場所の割り振りなどを決めていたという。
「沼津夏まつり・狩野川花火大会」と「三嶋大祭り」では申請手続きに乗じ、露天商に1店舗当たり3万~5万円の場所代を同組合に対して払わせたとみる。関係者によると、場所代は同組合が経費などとして計上していたが、ほとんどが容疑者の手に渡る仕組みだった。
両祭りとも期間中に約200店が出る規模で、県警は容疑者が少なくとも1千万円以上を得ていたとみて裏付け捜査を進める。
容疑者の逮捕容疑は22年7月30、31両日に開かれた沼津夏まつりと、8月15~17日の三嶋大祭りで、指定暴力団山口組藤友会組員の無職の男(66)、男(77)の両被告や同組合の元理事長らと共謀し、暴力団員が実質経営する露店であることを隠し、各主催者側に「出店申込書」や「誓約書」などを提出し、不正に出店権利をだまし取った疑い。