令和分収林投資の顛末

分収林投資は昭和の伝説の投資だけど、できるものならやってみたい。

そして山林所得を申告してみたい。

今年の山林所得申告

 「お前の家が始めた所得だろ、お前が決めろ」

 (どのカードを使いますか?編)

山林所得の手を逃れたはずの孫を待っていたのは、また新解釈だった。

分収林に住みついた収益と損失。

税務手引き書が産み落とした税務署員の解釈違い。

納税者と課税者、魔導書と課税項目とをコンクリートミキサーにかけてぶちまけた。

ここはとある大都市の税務署。

さすがに昨年の税務署員の判断で「分収林所得は雑所得」という線で解決したべ。

あんなに分厚い魔導書(税務手引き書)を持ち出してきたんだから間違いねえべ。

…そう思ってました。

若い税務署員「申告される内容は?」

 ワイ「…今年も分収林の所得があるんですが」 

若署員「ちょっと上に相談してきますのでお待ちを」 

 三井農林の分収林収益通知を見せたら30秒ほどで奥に消えていった… 

もしかしてもうモンスター納税者としてマークされてる?

暫くすると精鋭っぽそうな女性上司登場

 「山林所得ですね。では別室へ」

 速攻で別室送り。手際が良い。

なんかこう手慣れてる感がして怖い。

 ちなみにこの段階までワイ「分収林の収益について」としか言ってない。

昨年みたいなgdgdした感がなくてスタイリッシュ。

こわい。

別室で精鋭税務署員に昨年までの税務署内でのやり取りを伝える。 

ワイ「で、魔導書によればこの分収林は『雑所得』ということで良いですよね?」

今年も「雑所得」判定が出れば課税項目確定で来年は面倒が無くなる。 

 精鋭「魔導書…?ちょっとお待ちを」 

どうやら先入観なく魔導書を確認する模様

10分ほど待っていると魔導書を持った精鋭が戻ってくる。 

精鋭「……ふむ、確かに分収林に関する特記事項によれば『雑所得』の可能性もありますが…」 

ワイ「…ありますが」 

精鋭「…この特記事項は分収林事業者・造林者・契約者が『5年以内に契約の内容を知り同意した場合』となっています」

精鋭「貴方は契約当事者ですか?」 

ワイ「いえ、私ではなく祖父が私名義で行った契約で…」 

精鋭「…では三井農林はなんと?」 

ワイ「…既に契約担当者はいなく、契約内容も分からないと『お客様の御心のままにインシャラー』と」 

精鋭「貴方が契約に同意した?」 

ワイ「当時はただのクソガキでした」

精鋭「……ふむ……」

暫し熟考 

ワイ「…昨年の魔道署員さんとは同じ判断にならんのですか…?」 

精鋭「この特記事項はあくまで関係者の明確な同意が鍵となります。その『同意』という心証の形成が不明確なまままでは『雑所得』に分類できない!」 

 まさかの逆転判決。

ワイ「では山林所得として振り出しに戻ると…?」 

精鋭「それも出来ない。山林所得は関係者の明確な同意が存在して初めて課税項目足り得る!」

(精鋭のメガネがキラーン)

oh…税の神よどうすんだよこれ

精鋭「…………」 

ワイ「一昨年のエリート署員がやった案分方法で利益出てるか見てみますか?」 

精鋭「…それが正しいか判断できませんが、やってみますか」 

 ワイ「昨年より金額増えてるので黒字に…」 

精鋭「なってませんね。伐採面積も増えてます。ギリギリ赤です」 

爺さん…今年もダメだったよ

精鋭「ウッドショックの分は今年の分にも反映されてないようですね」 

ワイ「………では通算する雑所得も無いのでこの話はなかったことに… 一つ確認したいのですが…実はまた来年もこの分収林が来そうなのですが…来年は『山林所得』として申請…」 

精鋭「分かりません」

ワイ「では『雑所得』として申請…」 

精鋭「分かりません」 

ワイ「どっちで…」 

精鋭「分かりません!」 

 ワイ「…分からないって、どうすれば」 

精鋭「山林所得は関係者の同意がキーです。そこが霧に包まれているものを!税務署が独断で!関係者全ての同意なく!決める訳には参りませんっ!!」

ドーン!という感じで言い切る精鋭。 

 ワイ「あの、そう申されましても、もしウッドショック分が来年の収益に加算されていた場合…」 

精鋭「貴方が決めてください」 

ワイ「はっ?」 

精鋭「貴方が望む課税を選んでください!」 

ワイ「えっ?」 

精鋭「分収林課税は貴方の御心のままに」

(インシャラー)

以上が本年度の分収林収益の顛末となります。 

 ……おい、どうすんだよこれ、三井農林に続いて税務署も課税項目判定をこっちにぶん投げやがったよ……(震え声 

 帰り際、精鋭に「これ読んどいて」と冊子渡された。 

……なんで横浜市内の税務署に山林所得の冊子が積んであるんだよ……(震え