操作履歴などは残らないバックアップシステムを悪用

15年前から繰り返され、騙し取られた公金は、1億7000万円余りに上った要因の1つが、巧妙で悪質な手口だった。
最も金額が多かった児童扶養手当の場合、支給などは2つのコンピュータシステムで管理されている。
「事務処理」などを行うためメインで使われるシステムについては、何らかの操作を行うとその履歴が残るため、データの改ざんしたとしても、他の職員が気付くことが出来る。

一方、万が一などのために用意されているのは「バックアップ」システムで、メインのシステムを上書き保存する設定になっている。
こちらのシステムを使い、確認作業することは、本来想定されていないため操作履歴などは残らない。
今回のケースでは、このバックアップシステムを悪用。

データを改ざんし不正を行っていたが、履歴が残らないため小原副主幹が担当を外れるまで気付けなかった。
その結果、2019年から2022年3月まで合わせて11回、公金が騙し取られた。