堀江: テスラの話をすると、EV(電気自動車)のパワープレイをやりましたよね。すごいなと思いました。僕が、日本政府やトヨタ自働車さんが考えておいた方がいいと思ったのは、トヨタは割と初期のテスラに出資していましたよね。
夏野: そんなに大きくないですけどね。
堀江: でも、あれを引き上げたじゃないですか。あの時たぶん、EVはそこまで伸びないと思ったと思うんですよ。
日本のメーカーさんが2つ間違えたことがあって、1つはEVがこんなに伸びると思っていなかったということと、テスラのコアテクノロジー(コアテク)が何なのかということを分かっていなかったんです。
テスラのコアテクは、僕はバッテリーマネジメントシステムだと思っています。
テスラって、パナソニックと一緒に米国でギガファクトリーみたいなものを作っているんですが、パナソニックは電池ユニットを作っているだけなんですよ。
その先にテスラゾーンという、パナソニックの技術者でもアクセスできない領域があって、そこではアセンブリーをやっているわけなんです。ここがテスラのコアテクなんですよね。
よくよく考えると、テスラのバッテリーが爆発して事故を起こしたことって聞いたことないでしょ。
リチウムイオンバッテリーの特徴には高容量というのがあるんですが、過充電すると爆発するんですよ。昔の鉛蓄電池が過充電できず、爆発しないのと対照的です。この点リチウムイオンバッテリーはエネルギー容量の100%以上まで充電できてしまうので、そこにリミッターをつける必要があります。
その点、車は回生ブレーキを使ってエネルギーを吸収しなきゃいけないので、頻繁に充電と放電を繰り返すわけなんです。
ここがテスラのコアテクなんですよね。