アートディレクションのあるべき姿とは?

サイトウナオキ(※)の添削動画を見て「よくあんなに添削できるな」と思ったが、よく考えたら大型プロジェクトでアートディレクションやると、絵で金もらってるプロ中のプロの絵のディレクションを毎日ダース単位でやるわけで、そりゃできますね。

※有名なタレントに敬称をつけないノリ

30点を70点にするディレクションはあんまり苦もない。しかし、80点を90点にしたり、絵としては95点だけどプロジェクトのテイストから外れており、一回70点ぐらいに差し戻して再調整とかになると、苦労が違う。相手もプロだしな・・・

85点ぐらいをディレクションしろって言われると、「気になる点はあるが、果たしてそれは修正して公共性のあるレベルなのか、それと私のただの趣味か?」という悪魔が頭の中で反復横跳びしだすので、すごくしんどい

リードで監修やってた頃、最初は「ウォォ!! 直すところばっかりやんけ!ウォーィ!! (修正要件の資料を作る)」って感じだったけど、2年ぐらいすると成長して趣味も微妙に似てくるので、言う事がなくなる。

この段階になると「仕事なし」と感じてやる気をなくす。免許皆伝!あとはまかせた! (休業)

やっぱりプロジェクトや会社に居場所を求めてないから、政治的ムーブを一切しないのはいいところですよ。傭兵ですから。

関係が長く続いてる会社さんはありますけど、それはたまたま運がよく、私がまだ使えるという事で

商業ゲームプロジェクトでアートディレクションやると、自分より明らかに強い絵描きを制御したり、「この絵はプロジェクトのアートの方向性からやや外れているがとても魅力的だ。どう処置すべきか...」みたいなエクストリーム添削ができる

下手なもの・・・要はテクニックが発揮されてない成果物を直すのは簡単だ。

ただ「テクニックが発揮され、かつ練られており魅力的だが、こちらの求めるものとズレがある」という成果物を直すのは苦労が伴う

けれども、この水準の人は自分に求められているものを心得ている事が多く「なるほど、そういう方向ね」と直してくれる事が多い。

前者は直すのは簡単だけど、役に立つわけではないので請負なら切られますね。

添削動画ならテクニックをいっぱい紹介できるので、添削例としては悪くないけど