ABEMA NEWSでは炎上しているテーマをあえて“議論”をする

「地上波では“批判”するために炎上している話題を取り上げて、情報をまとめたものを伝えていますが、ABEMA NEWSでは炎上しているテーマをあえて“議論”をするようにしています。“炎上=世の人々が何かしらの意見を持っている”と考えているので、そこに至った経緯を出演者達で議論して深掘りしていくことを意識しています。私もテレビ朝日で仕事していましたが、近年、“テレビは本当のことを報道しない”、“建前ばかりだ”と言われる中で、僕らはそういった視聴者の批判を受け止めることがとても大事だと感じています。例えば、“毎日の新規感染者数を伝えることにどれだけ意味があるのか”とか“京都アニメーション放火殺人事件の被害者の名前を報道する必要があるのか”といった声に対して、メディア側は説明しようとしません。ですから、ABEMA NEWSでは批判の声を元に、番組内で議論する必要があると考えています」

「常に情報がアップデートされている中で、地上波は追いつけずに古いスタンスにこだわったり、”ブレている”と言われることを恐れて、報道姿勢を変えようとしないことが多いです。しかし、ABEMA NEWSにおいては、伝えている内容が前の日と変わるのは当たり前で、そこに説得力を持たせるために、尾身茂会長やコロナ最前線のドクター6名の医師に参加してもらって徹底的に議論して頂いています。あまりメディアに出演しない方や医師達がなぜ参加してくれているのかというと、“ここならフェアな議論をしてくれそうだ”と信頼してくれているからなんですね。ABEMA NEWSを始めた当初は視聴者と一緒にニュースを作ることをイメージしていましたが、最近は専門家の方や政治家に出演して頂き、そこにコメンテーターや一般の人達の意見を交え、時間をかけて議論するようにしています。出演者と番組を一緒に作ってる感覚です。それは地上波にはないABEMA NEWSならではの強みだと思います」

「メディアは簡単には変わらないものだと思われていますが、だからこそ変わることが大事で、実名報道、犯人視報道、決めつけ報道、不倫報道、世間が“何のためにこの報道をしているの?”と感じていることに対して、答えを明確に提示していきたい。これまではメディアが発信を独占していたけれど、もう違う。みんながメディアの時代です。様々な立場の人同士が話し合い、更に視聴者の意見も受けとめて、社会のニーズに応える番組作りが必要なのではないかと」

「番組を見てフラッシュバックしてしまう人がいたり、意図せずとも誰かを傷つけてしまったりすることもあると思います。様々な配慮をして番組を作りましたが、全員を納得させることは難しいです。それでも、事件や不祥事を起こした人について報道で袋叩きにして、一発退場でいいのか?と思うんです。なぜそうしてしまったのか?という議論の場を設けて、セカンドチャンスは絶対あるべきだと思います」

(ABEMA Primeプロデューサー・郭晃彰氏)