パッと見て特徴的だと感じる部分を真似てしまうことで著作権侵害に当たるという考え方

「著作権のことを知っていれば当然分かることだったが、認識が浅く、色も着けているから大丈夫だと思っていた。“これをしたらどうなるか”ということまで想像力が働いていなかったと思う」

「人生初のライブペインティングだったし、だ自分のスタイルを確立できていなかった。色々な作品を見て“当てはめる”じゃないけど、“今回はどういうのが合うかな”と…。動物が好きだったので動物を描くことは決めていたが、(参考にした作品が)エネルギッシュだったので、“これができたらかっこいいでしょ”と。それで“お守り”じゃないが、作品を握って制作に挑んだ。直接トレースはしていないが、こういうイメージだったら喜ばれるだろうなと構図を意識し、参考にして描いた。問題になってから事の重大さに気づいて、“大変なことをしてしまった”と思った。自分の立場をわきまえず、まだ学生の範囲内というか。本当に浅はかだった。大学でもオマージュやパロディの勉強はしていたと思うが、恐らく真剣に取り組めてなかったのだと思う」。

 一方で、インスピレーションやパロディ、オマージュと呼ばれる、模倣に当たらないとされるケースもある。

「パッと見て特徴的だと感じる部分を真似てしまうことで著作権侵害に当たるという考え方になっている。例えば『鬼滅の刃』の主人公のアザや髪型、攻撃シーンは独創的と言えると思うが、服の市松模様はありふれたものなので、そこは真似ても大丈夫だろうということになる。また、真似された側の作家さんが“問題ないし、面白いからいいんじゃないか”ということであれば、法的に問題はない」と説明する。