MMTわかってない人多いんで根本から説明しよか?

MMTわかってない人多いんで、根本から説明しよか?

MMTは「現代貨幣理論」とか訳されているけど、キーワードは「貨幣」だ。

貨幣とは、おカネを指す。 おカネって、なんだ?


例えばこれはおカネだ。昔、ドル紙幣はゴールドにリンクされていた。そういう風にドルの価値をゴールドと連動させることを金本位制と言う。

なぜゴールドとリンクさせる必要があった?それは、そうしないと庶民が紙幣を信用しなかったから。

つまり貨幣と「信頼・信用」という問題は、切っても切り離せない。

でも経済が大きくなると「経済の血液」であるマネーサプライもカラダの大きさに合わせて増加する必要がある。もしマネーサプライがふえなければ「貧血」になってぶっ倒れる。これがデフレだ。

ドル紙幣がゴールドとリンクされている限り、貧血になるか、ならないか?の運命は金鉱脈の発見にかかっている。

幸いアメリカの場合、経済が飛躍しなければいけないちょうどその時にカリフォルニアで金山が発見されてマネーサプライの問題は大体、うまい具合に問題解決した。つまりラッキー。

だけどマネーサプライが足らず、「貧血」状態になっているときに、いつまでも金本位制度でゴールドにリンクしていると、不景気なのに金鉱山という造血剤が作用しないのでデフレになってしまう。それが大恐慌。


ケインズは「そういう貧血状態は良くないから、紙幣とゴールドは切り離し(=金本位制離脱)、どんどんマネーを供給しなさい!」と主張した。 この洞察こそが、ケインズを過去の経済学者の中で頂点の存在に押し上げた慧眼。

その後、世界はだんだん金本位制度から離脱した。これが一度目の「呪縛からの解放」

でも世界の政府は未だ均衡財政という考えに囚われている。つまり政府の歳入と歳出は、バランスが取れていないといけないという発想。すると歳入(=税収など)が増えないと社会福祉とかの政策もできにくくなってしまう。MMTはこの「均衡財政」という幻想からの解放

よく考えてみたら、「均衡財政」なんて、いいことは何もない(笑) もし均衡財政で全てが解決するなら、なぜドイツは今苦しんでいる? 全くイミフだ。

だから「円」なり「ドル」なりの「信頼・信用」の拠り所を均衡財政に求めるのは間違っているんじゃないか? 均衡財政にこだわりすぎるあまり「貧血」の状態を放置していいの? そういう議論が出てきている。これがMMT.

いまある通貨の価値が毀損しそうになったとき、じっちゃまのような市場参加者はそれを「クンクン」と嗅いで、すぐに逃げ出す。つまり通貨安だ。そして通貨安が起きているときは、たいていその国の物価はインフレになっている。嘘だと思えば、トルコリラ見てみ!

なぜならトルコのインフレ率は11.4%だから。あとトルコは外貨で沢山借り入れしているので。 

だからMMTやってはダメな国はトルコみたいな国。日本じゃない!

ドルはしっかりした通貨だし円もしっかりした通貨です。どちらの国も政府が通貨発行権を持っています。だからMMTの有効性は似たり寄ったり。 

蛇足だけどMMTはいわゆる「高金利通貨国」とかでやるとパツイチで破綻します(笑)

MMT自体は「善」でも「悪」でもない。「どの目盛りを読めば、いいんですか?」というさじ加減に対する提言以上の何物でもない!そしてそのさじ加減とは「インフレ率2%までなら、国債だすなり紙幣刷るなり、なにやってもええで!」ということに他ならない。インフレ率2%を超えたらドクターストップ!