「MMTやると格差どんどん広がるじゃん?」

「MMTやると格差どんどん広がるじゃん?」 →そうです。それは仕方ないです。説明します。

リーマンショックの後、2009年6月から始まった景気拡大局面は2020年2月まで続きました。128か月、10.6年に及ぶ過去最長の景気拡大局面でした。なかなか職にありつけなかった低所得者層の雇用は、この景気拡大局面の最後の3年間でずいぶん改善しました。

FRBは地方のコミュニティを回り、実際に黒人などのマイノリティーの人たちに会い、雇用の状況などを直接訊く懇談会を数多く実施しています。パウエル議長もそういうバス・ツアーに出かけます。

そういうコミュニティの懇談会でFRBに寄せられる低所得者層からの声は「いまやっと職にありつけた!ありがとう!いまの政策を変えないで!」というものでした。これが新型コロナ禍発生直前の話。

つまり低金利政策、緩和政策というものは、じわじわ累積的に効いてきて、いちばん「しつこい失業」に苦しんでいる最下層の人たちには最後にチャンスが回って来るという性格を帯びているのです。FRBは金利政策を打ち出す際、この恵まれないグループのことを真っ先に考えます。

言い直せば裕福層が私腹を肥やそうが格差が広がろうが、そーゆーことはクソどうでもいい! つまりFRBは「経済的弱者にフォーカス!」しているのです。

人間は、ほんとに考え方が卑しいです。「弱者をなんとかして!」と訴えながら、同時に「裕福層がぬくぬく儲けて、けしからん!」と憤るわけです。 でも弱者を救済しようと思えばFRBに出来ることは緩和政策しかないのだから格差が広がることに関しては目をつぶらないと仕方ない。

皆さんが自分の財産形成を目指してゆくとき、このメカニズムに注目してください! つまりアセット(資産)を持っていなければ、どんどん置いてきぼりにされるのです。(自分は真面目に働いているのになぜ社会で劣後する?)→その理由は賃金の上昇のペースより資産価格の上昇のペースの方が速いから。

新型コロナ禍が襲って以降、FRBがどう対処した? その全てはこのレポート1枚にまとまっています。じっくり読んで! FRBは1~11までの項目を発表しています。

いまパウエル議長が「インフレは予想より低く、しかも長期に低迷する」と言った場合、それを日本語に翻訳すれば「MMT、MMT、MMT、MMT、MMT、MMT、MMT、MMT、MMT、MMT、MMT、MMT、MMT、MMT、MMT、MMT、MMT、MMT、MMT、MMT、MMT、MMT、MMT、MMT、MMT、MMT!」です。

だからいま「ハイパーインフレが危ない!」とか言っている奴はドアホ!

「FOMC記者会見、視聴してません!」と宣言するようなもの。 貴様ら、いやしくも金融関係者なら、FOMCの記者会見ぐらい視聴しろよ!(笑)

「馬を川に連れてゆくことは出来るけど、水を飲ませることはできない」というけれど、FRBが持っているのは「貸付パワー」つまりおカネを貸す能力。どんだけ「おカネ、貸します!」とアピールしても皆が借りようとしなければおカネは動かない。

これに対して議会がもっているのは「支出パワー」、つまり相手が必要としていようが、いまいが、おカネを消費者のフトコロにねじ込むことが出来る。→例:国民ひとり13万円支給!

これは「立法府」の仕事。FRBの仕事じゃない。すると議会がモタモタしていたら「支出パワー」は繰り出せない。 受け身な国民は、いつまで待っていても、うかばれない。

FRBが「貸付パワー」を手品みたいに「無」から創り出すには、FRBのパソコンをカタカタやってデジタルに貸し方、借り方に記帳するのみでいい(笑) でも「貸付パワー」の恩恵にこうむることが出来る人は「みずから動く人」だけ。 あなたも「みずから動く人」になりなさい!

「政府は、あれやって欲しい!これやって欲しい!」と白昼夢を見続ける人は下層が多い。 あなたが下層なのは行動に移すことをしようとしないから。 世の中はそーゆー受動的な人々を置いてけぼりにするように出来ているんです!

繰り返し言うとMMTは「打ち出の小槌」じゃない!なにかの「お恵み!」「ラッキ!」「不労所得!」と勘違いしているバカタレはすぐ出て行って!MMTはユニバーサルインカムともカンケーない。MMTは金融財政政策の「切り上げ時」を知るひとつの方便。ベンチマークを均衡財政→インフレ率2%に変えただけ

「じゃあいままでとどう違うの?」→それは「インフレ率が2%を下回っている限り、思い切り、アグレッシブに、アクセル踏み込んで、徹底的に、輪転機回し、ガンガン行く!」という点が違う。

僕も基本的に、MMTやれるもんなら、まあやってみたらいい?とも思うんですけど。経済というのはでっかいタンカーのようなものなので、そんなに都合よく2%でピタっと止まるかなあ?と・・・気がついたときにはときすでに遅し?ですごいインフレになるという懸念も、まあ理解は可能。

MMTは「人間の持つポテンシャル」に対するオプティミズムだと考えることが出来ます。失業している黒人とかウエイトレスとかシングルマザーとか…そういうひとたち全員にチャンスが回って来るまで不退転の決意で臨む!ということ。

黒田バズーカが放たれたときの、この記事、とてもよく覚えています。 >やるべきこと、正しいことは一つしかありません。それは、前進することです。〜略〜 つまり今、前進しないと、逆にアブナイのです。

ようするに「精神論」。ワイマール共和国時代のドイツがハイパーインフレに見舞われた理由は、彼らの精神がヘタレ、弛緩、ひん曲がり、僻み、挫けていたから。 一生懸命成功しようとしてもがいている人を支援するのがMMT。 楽しようとしているヤツを甘やかす政策ではない。

ようするに「このマシンにどんだけエネルギーをぶち込めるねん?」という話。 日本?……不完全燃焼しているに、きまっているでしょう?だからMMTで活入れる必要がある。 そういう話。

政府負債がGDPの何%まで膨れ上がっている?ということはカンケーないです。なぜなら政府は紙幣を印刷することができるから。投資家が問題にしているのは「けじめ」です。これまでは「けじめ」を財政均衡とか負債比率に求めてきた。MMTでは「けじめ」をインフレ率2%に求めている。

破綻するか、しないか?は「ちゃんとけじめをつけることができる?」という信頼感ひとつにかかっている。だからMMTの場合「インフレ率は2%」と一度決めたら、そのゴールポストを動かすような馬鹿な真似をしてはいけない。