ほぼ日の経営

例えば、遅刻せず休まない人が、だらしない人に「そういうのは良くない」と言うシーンはよくある。少年マンガや少女マンガでも。「それをやって何になるんだ」と気付いた。遅刻しないことや時間を守ることが、一番大事なことかと。

互いを助け合うチームを作っているので、どこが助けになるかは分からない。どこか旅に行った時に「あいつがいればなあ」と言われるのが本当に大事。「あいつがいれば火を起こしてくれる」とかでなく、役に立つとかでなく、「あいつにいてほしい」というのが果たす役割は大きい

僕らが昔、仕事と言っていた単純作業のようなものはもうない。ほぼ日手帳の印刷技術やカバーの技術で聖書を作ったら売れたか。運良く手帳を作ったから売れる。それが仕事のすごく重要な部分だった。

うちが偉いのは、儲かっている仕事の人が儲かっていない仕事の人にいばったりしないこと。気仙沼のほぼ日、地元の人に友達になってもらって、何を稼いだかというと稼いでいない。逆に年間どれだけ予算を使うかという予算組みをしていた。

株主総会の場で一つも稼いでないと言っているが、僕らの仕事としては非常に重要だったと言える。「それはダメだよ。行くだけで何万円かかるから、その分で手帳の売上をあげられるのでは」という人がいたら、その人と一緒のチームにはなれない。

決まりを守るだけの人が懐中電灯で人を探しに行く社会は憲兵の時代。詩人も三年寝太郎もいて、それを助けるのもチームだと。助ける人の栄養にもなっているわけで。随分回りくどい話なので、首をかしげる人はいるかもしれないが、あえてそこは残したつもりです。