脳が記憶する仕組み

暗記効率をアップさせたいなら、当然ですが「脳が記憶する仕組み」に沿った方法で取り組むべきです。

■「3ワードノート術」でキーワード同士に関連を

■「コーネル式ノート術」で密度の濃いアウトプット習慣を

記憶には陳述記憶非陳述記憶が存在します。言葉で表現できる記憶は陳述記憶、言葉で表現できない記憶は非陳述記憶となります。このうち、勉強にまつわる記憶は前者の陳述記憶です。(後者の非陳述記憶は手続き記憶とも呼ばれ、箸の使い方や自転車の乗り方、タイピングなどの技能やノウハウの記憶が該当します)


陳述記憶は、エピソード記憶意味記憶に分かれます。エピソード記憶に当てはまるのは、自分が体験した出来事や映画のようにストーリーのある内容情報と情報との間に前後のつながりがあるため覚えやすいのが特徴です。対照的に、単語や年号のような知識の記憶のことを指す意味記憶は、物語のようなつながりがないため忘れやすいことが特徴とされています。


こうした記憶の種類を踏まえると、情報をエピソード記憶にすることが、効率よく覚えるためのポイントです。


人が記憶する過程には3つの段階があります。

1. 記銘(符号化):五感から入った情報は、まず脳の海馬という場所に一時保存されます。 2. 保持(貯蔵):必要だと判断された情報は大脳皮質に貯蔵されます。 3. 想起(検索):貯蔵された情報を海馬が取り出して思い出します。

それぞれの段階に不備があると「覚えられなかった」という状態になるのです。中でも、2番の保持の段階で「必要」と判断されるのは、生きていくために必要な知識のみ。そのため、多くの人は保持の段階で記憶に失敗してしまいます。

しかし、勉強によって得た情報のほとんどは、「生きていくために必要なものだ」とは言えませんよね。ですから、それらの情報を脳に「必要なものだ」と判断させなければなりません。そのために大切なのが、情報を脳に繰り返しインプットすることと、情報を使う回数を増やすこと。脳研究者で東京大学薬学部教授の池谷裕二氏によると、海馬は、何度も脳に送られた情報、そして使う回数の多い情報を「重要だ」とみなす性質があるのだそう。

つまり、効率よく暗記するためには、復習を繰り返して情報の入力・出力を強化することが欠かせないのです。

しかし、ただ闇雲に復習をしても時間と手間ばかりかかってしまいます。以下に紹介する3つのノート術を使って、効果的な復習を行いましょう。