世界を背後から動かしているのはゴールドマンサックスでありモルガンスタンレーでありJPモルガン

まずロスチャイルド家の物語はとても魅力的なストーリーなので詳しく知ると楽しいですよ。

それを断ったうえでイルミナティとか陰謀論とかは情弱なので恥ずかしい(笑)

それ「抜き」にして、ロスチャイルドの物語を楽しんで欲しいな。

日本語で手に入るロスチャイルドの資料は、ホントにクソなものしかないので、ちょっと面倒な気もするが、サクッとじっちゃまが概要だけ説明する。

まず時代背景。ロスチャイルド家がグイグイ頭角を現した時代というのは、「変化の時代」だ。産業革命、フランス革命、ナポレオンが登場してヨーロッパ全体をぐちゃぐちゃにかき回す…そういうイベントが次々に起きた波乱万丈な時代であり、ロスチャイルド家はその混乱をフル活用した。

次に場所の背景。ロスチャイルド家はフランクフルトのゲットー(ユダヤ人だけが押し込められた貧民窟みたいなところ)から興って行った。当時ドイツは神聖ローマ帝国という、なんか勘違いした、アナクロニスティックな政体だった。

次に登場人物。実質的な元祖ロスチャイルドは、メイヤー・アムシェル・ロスチャイルドという人。これは有名なネイサン・ロスチャイルドのお父様だ。1770年にガトル・シュナッパーという女性と結婚した。この二人の絆が、ロスチャイルド家のバックボーンだ。何と10人兄弟!

あくまでも皆が想像しやすい為に不適切な例を出すけど、フランクフルトのゲットーは例えて言えば寅さんの故郷、柴又みたいな下町だ。その実態は「ユーゲングラッセ」と呼ばれるひとつの辻に110世帯400人が住む封印された町内だ。

ユダヤ人はその辻の外に住むことを禁じられていた。夜になると通りを塞ぐ重い門扉が閉ざされ、一切、外出できない。

ユダヤ人は神聖ローマ帝国に「保護」されていた存在。彼らが日陰ながら細々とゲットーで暮らすことを許されていた理由はガッポリ税金を徴収できること、そしてユダヤ人の蓄えたカネを為政者が借りる資金源としてのメリットがあったから。

メイヤー・アムシェル・ロスチャイルドはヘッセンカッセル方伯ヴィルヘルム1世(ヘッセン選帝侯)の宮廷両替商として、当時ヨーロッパに流通していた沢山の貨幣の「目利き」の仕事をした。

今風にいえばFXや。

珍しい異国の通貨に幾らの値打ちがある? それを正しく値踏みするには、世界の情勢に関する知識がないとダメ。情報のネットワークが無いとダメ。貪欲な知識欲が無いとダメ。だからメイヤー・アムシェルは、「元祖インベストメント・バンカー」や。

メイヤー・アムシェルは子だくさん。そこで10人兄弟のうちイザベラ、バペット、ヘンリエッタ、ジュリーという女の子を除く6人の兄弟が後にロスチャイルド家のネットワークとして欧州じゅうに散り、情報交換しながらロスチャイルド王国を築いてゆく。

有名なロスチャイルド家の家訓、「Concordia、integritas、industria」すなわち「お互い仲良く、誠実に、勤勉に仕事に励もう!」というのはそういう家族全員の誓いだ。

有名なロスチャイルドの「五本の矢」のロゴマークは、とうちゃんのメイヤー・アムシェルが5人の息子(なぜ6人じゃないのかは思い出せない)を集めて「矢は一本ならへし折ることができるけど、五本束にすると折れない」と諭したことから来ている。

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ロスチャイルド家のビジネスモデルは「両替商で稼いだ口銭を、諸侯や王様に貸すことで儲ける」というもの。つまり最初から商売の相手は政府だった。庶民から預金を集める都銀とは違う。

ロスチャイルド家が一番栄華の頂点を極めた1815年から1914年にかけて同社のバランスシートは世界最大だった。(いまは見る影もない)

諸侯や王様への貸付というのは、主に戦争遂行のための資金。つまり「有事」だ。昔は徴税システムが原始的で、いざ戦争となっても急に資金を用立てするのは困難を極めた。現代風に言えば、M&Aのブリッジローンみたいなノリで、要請をうけたら「ホイ!」とカネを出した。だから高利。

自分のカネを貸した相手が戦争に勝てるのか、勝てないのか?の判断は極めて重要。全損のリスクありだ。

その貸付を他の投資家にも「転売」するためにロスチャイルドはベアラー・ボンド、つまり譲渡可能な、証文によるローンの転売を発明した。これは国債の発明だと思えばいい。これが彼らのbigなイノベーション。

戦争を仕掛ける方、攻め込まれて不意を突かれた方、どっちにつく? ロスチャイルドの資金援助を受けた側は戦争に勝ちやすい。だからロスチャイルドは誰からも一目置かれた。

さて、現代に話を移すと日本政府の歳入は国税庁の課す税金などにより賄われている。つまり徴税基盤が充実しているということ。それはロスチャイルドのような「戦争バンカー」の出幕がなくなったと言う事を意味する。

だから「ロスチャイルドがいまでも世界を牛耳っている!」とか言うヤツは、そもそも国の歳入構造とか、そういうコトが全然頭に入ってない。

いま世界を動かしているのは諸侯や王様ではなく、UberとかFacebookとかAppleだ。だから彼らの「宮廷バンカー」が世界を背後から動かしている。それはゴールドマンサックスでありモルガンスタンレーでありJPモルガン。

それらの金融機関のオーナーは誰?

はい。例えばゴールドマンは:
バンガード(インデックス投信) 6.9%
ブラックロック(投信投資顧問) 6%
ステートストリート(インデックス投信) 5.71%
バークシャー・ハサウェイ(ウォーレン・バフェット) 5.02%
ダッジ&コックス(バリュー投資顧問) 3.11%

マス・フィナンシャル(投信・保険)2.79%
キャピタル(投信投資顧問)2.24%
イーグル・キャピタル(バリュー投資顧問) 1.7%
ジオード・キャピタル(ヘッジファンド)1.22%
ノーザントラスト(信託銀行)1.13%
ですね。MS、JPMも殆ど同じ顔触れです。

という事は世界を牛耳ってるのはロスチャイルドではなく、無数の市井の小市民達とも言える。