アマゾンのジェフ・ベゾスとウォーレン・バフェットは親友です。で、ベゾスがバフェットに「あなたの投資のアプローチというのは、わりあいシンプルですね。でもどうして皆模倣しないんですかね?」と訊きました。
バフェットは「それはカンタン。大抵の人間はなるべく急いで金持ちになろうとする(to get rich quick)。ゆっくり投資して儲けようという奇特な人は少ないからね」
これはとても深い含蓄をもった言葉です。僕は「だから長期投資しかダメだ」と主張しているのではぜんぜんありません。そうではなくて、自分の投資がきちんと軌道に乗っているか?の確認作業をするには、「待つ」必要があるということです。
中学生、高校生が「とうちゃん、オレ、勉強がんばるよ!」と言ったとしますよね? 「おお、やっと本気出したか!よし、どんどん行け!」という会話があったとします。
一か月後、そのお父さんが「どうだ、おまえ、成績、上がったのか?」と訊きます? それって、早すぎません? つまり努力が結実するには少し時間がかかるわけです。
「とうちゃん、次の中間試験は二週間後だってば!」
そういう会話になるのは当然です。
つまり中間・期末試験は毎週訪れるものではありません。通知表は学校から毎週渡されるものではないのです。
アンタら、そういう期末試験の結果とか通信簿とかをチェックせずに、せっせと「ああ、もうダメだ!」とか「うん、次は行けるに決まっている!」とかせっかちに結論だして、そういう自分を滑稽だと思わないの?😅
ここで大事な、大事な、大事な、大事なコトを言います。
「ただ待っているだけでは、ダメに決まっています!」😜😜😜
そうではなくて、かつてロナルド・レーガンが言ったように「Trust and verify」、つまり信じて銘柄を買うだけではなく、verify、すなわち検証しないといけないということ。その検証は、決算結果でやるのです。これ、やってない機関投資家は居ません。
99%の個人投資家は、このverifyが出来てない。だから何年経っても、同じ間違いを繰り返す。
同じ間違いを二度繰り返すヤツはバカです。そういう奴は一瞬でウォール街から消えてゆく。
もういちど中学・高校の勉強の例で説明します。もし、ある生徒の成績が下がり始めれば「これは買いだ!」と盲目にその生徒を推します?
そうではないと思うんです。
その生徒は、放置しておくと、次も、その次も成績がズルズル落ちる可能性が高い。
株もそれと同じ。決算のとりこぼしは、クセになる。
逆に良い決算を出す企業は「これでもか!これでもか!これでもか!」と好決算をたて続けに出すケースがある。テンバガー(10倍株)にぶち当たるのは、そういう株を発見したときです。
すると、過去の中間試験、期末試験、通信簿に相当する決算結果をノートか何かに書き留めて、ちゃんと覚えておかないと(この会社の決算のトラックレコードは、どうだったかな?)ということは判断できないはず。これをやってない個人投資家は相場がいつまでも上手くならない。
目の覚めるような素晴らしい決算を出した企業…そのカンファレンスコールを、みなさんは聞いたこと、一度でもあります?
各アナリストが、入れ替わり、立ち代わり「おめでとう!」「よく頑張りましたね!」という感じで、まるでアイドルの握手会みたいな雰囲気です(笑)
酷い決算を出した企業のカンファレンスコールを聞くと、針の筵です。矢のような質問が次々に飛んできます。みんながズタズタ、八つ裂きにしている。
つまり信用を失った会社です。その汚名挽回が、そんな一週間やそこらで実現すると思う方がシロウト。
僕がツイッターとか記事とかで或るIPOを紹介すると「広瀬さんは〇〇という銘柄を推奨した!」と早とちりするバカがいる。(笑)
僕がそれらの銘柄に言及するのは、ピアノのレッスンで言えば「レパートリーを増やす」ということです。すなわち、そもそも「こういう銘柄が今度出てくる」…
ということを知らなければ、フォローすらもしないわけで、「これからこの銘柄の観察が、はじまりますよーーーーーー」ということに他ならないのです。
みなさんがやっていることはPuppy loveです。(笑)
Puppy loveは「幼な恋」と訳されるけれど、ようするに未熟者の初恋です。ちょっと5GとかAIとかSaaSとか、そういうかっこいいストーリーを語られただけで「この銘柄…命!」とか心を決めてしまう(笑) どんだけ乗せられやすいんですか?😂
これは小学生が初恋して「〇〇ちゃんに限って、ウンコなんかするわけない!」と相手を理想化、偶像化するのと同じです。こういう輩が、個人投資家には掃いて捨てるほど居る。😜
それで僕が「この会社は今回の決算が悪かったから売りです!」と言うと、まるで日本赤軍を糾弾するような勢いで、僕につっかかって来る(笑)
はいはい。好きにしてくださいwww
でも、どんだけ僕に文句言ったところで、悪い決算で売られた株は元には戻りません。
そんなくだらんコトに時間や労力かけている暇があれば、自分の投資手法の中から「ムダ」を省くことを考えて!
その「ムダ」とは、既に枯れている銘柄(=悪い決算を出した企業)に、いつまでも水をやる行為を指します。