本当はさらに闇が深いテキ屋(祭りや夜店の屋台)

高校生の頃、テキ屋(祭りや夜店の屋台)で夏場だけ毎年アルバイトしてた。
YouTuberのヒカルとかがクジに当たりが入ってないとかの動画を公開して物議を醸していたが、あれは我々の中では常識である。
本当はさらに闇が深いのでそれを暴露していこうと思う。

まずテキ屋の運営者はだいたいヤ○ザである。
上司(以降A)がとにかく怖い、すぐ殴ってくる。
私はキチガイの父親がいたおかげで対応力があったのか数えられるほどしか手を出されてないが、どんくさいやつはばんばんしばかれる。
アルバイトに来るのもクソヤンキーばかり。

バイトの初日、奈良県のどこかの祭りに向かってる途中。弁当のゴミを車の足元に置いていた。
すると

「そんなとこに置くな!車が汚れるやろが!窓から捨てろボケ!」

とAにめちゃめちゃキレられた。
確かにAは食べかすとか残った状態の弁当なども窓から高速道路にばんばん捨てていっている。

そして続けて

「おい新人、お前よく覚えとけよ、
"地球はゴミ捨て場"や。」

と初日から名言をいただいた。
私はそういう教育を受けていなかったので衝撃だったが、やってみると背徳感と爽快感が混じって気持ちいいのだ。
こうして徐々に道徳心が崩壊していったのである。

そんな感じなのでいく先々でモメるが、暴力的な背景で全て突破していく。
飲食店に2、30人で入っていくと他の客がいっせいに帰っていくとかもザラにあった。
そしてもうボス(以降B)が見た目からしていかつすぎる、ムキムキの体に茶色いスーツでサングラスにオールバックのロン毛。

ベビーカステラやお好み焼きに入れる水を忘れて紀ノ川祭りという現場に来てしまったことがある。
どうするのかなと思ってると、Aはバイトを集めて

「川の水汲んでこい、Bに絶対言うなよ、お前ら絶対食うなよ腹壊すぞ」

などと言っている。
その祭りで提供した全ての水は川の水であった。

川の水で作ったお好み焼きやらカステラやらの話だが、Aが

「絶対食うなよ、当たるぞ、クジの代わりにこっちが当たりやガハハハ」

などと言っていたのを思い出した。

食材一年前から凍らせてたの使ったりりはザラだし、電球に虫が当たって焼きそばなどに落ちてくるし、鉄板や氷やなにもかも衛生管理はむちゃくちゃ。
テキ屋で食べ物は買わないほうがいいし、買うときはよく注意したほうがいいと個人的には思う。

それでもどうしても食べたい場合は祭りが終わってテキ屋が片付けを始めてる頃に行けばいい。
可愛い女の子ならほぼ100%無料でもらえる。
どうせ今から捨てるから。
男でも100円払うとか言えばだいたい無料でくれる。

くじ引きだが、はっきり言って当たりなど無い。
まあ売上から試算すれば当然なのだが、プレステやらブランド品やらが当たるわけはない。
私がやってたところではビニールのピカチューとかの人形だけが唯一あたりを少し入れてた、原価めちゃ安いから。

このタイプのクジって今もあるのか知らないが、「く」の文字がめくるとこより微妙に下にはみ出てるものが50以下で、はみ出てないものが51以上という感じ(逆だったかも)だった。
そして当たりは全て51以上にして50以下のものばかりを入れておく。

そして本当に当たりが入ってるんかとか疑う奴が現れたら、1つ51以上のものを手に仕込んで5枚目くらいで当たりが出るように実演する。
ヒカルが私のところに来ていたとしたら、全部めくられるとしても最後のほうで当たりを出して、住所を書いてもらって後日郵送しますなどと言って対応したはず。

クジ引きでバイトが間違えて当たりを出してしまったことがあって、すぐに「今の間違い!」とかって取り上げたときに子供がギャン泣きしてイカツイ父親がクレームを言いに来たことがあった(当然だが)。
そこにBが「なんかゆっとるやつおるんかー」と現れただけでその父親は逃げていった。

写真のような光るブレスレットを夜店で売ってるのを見たことがあると思う。
これは冷凍庫で凍らせれば何回でも使えます!と言えと教えられていたが、実際は一回しか使えない。
騙されたと気づいた翌日には店は無いし、来年なんか言われても去年と運営が違うと言えばいい。

Aは何年もやってるはずなのに要領が悪かった。
屋台を閉めてトラックに積み込んでる時も、そんな積み方やと入りきらんやろなーと思いながらも指摘すると殴られるので黙って言われた通りに積んでいく。
かなりの肉体労働だが、1時間くらい経ってから

「全部降ろせ」

と改めて積み直させられたりする。

この「全部降ろせ」は名言の一つとして我々の中で長年モノマネされていくことになる。
またAはよくBに叱られていて、その後私に「今のオレ悪いか?」と聞いてくる。
「いやAさんは全然悪くないです」
「せやろ、おまえはよくわかってくれとるわ」
みたいな感じで謎に関係が構築されていった。

バイトが寮みたいに使える3部屋くらいの平屋があって、家出少年少女みたいなのがごちゃまぜで住んでた
そこを我々は「アンパンマンの館」と呼んでいた。
玄関開けた瞬間シンナー臭いのが名前の由来である。
私はそこに泊まることはなかったが、遊びに行った時も幻覚で龍と戦ってる少女とかがいた。

またBはバイトのことを
「おーい、人間」
と呼ぶ。

ちなみに近いエリアの祭りは日がかぶることはほとんどない。
なぜなら同じテキ屋達が順番にぐるぐる回るからだ。
だから全ての関西の花火大会の花火を見た。

日当は8000円+食事(コンビニかレストラン。テキ屋のものは当たるから食べない)だった。
でもバイトはほぼ全員売上をくすねていたからみんな実質日当2万くらいあったと思う。
Bもある程度抜かれてることを前提にしてたように思う。
6時間くらいの時も24時間くらいかかる日も変わらず8000円

準備と片付けの重労働以外はすごく楽しかった。
非日常が味わえるし、色んな人間観察もできる。
今でもその時の仲間と飲んだりすると当時を振り返るとは話題と笑いが尽きない。

まとめると
・食べ物は食べないほうがいい
・それでも食べたかったら終わり際に
・くじ引きはしないほうがいい
・光るブレスは買わないほうがいい
・テキ屋の人と喧嘩しないほうがいい
・熊野の花火はキレイ
・バイトは楽しい

金魚すくいなどのポイ(すくう紙の網みたいなの)は4号〜7号というのがあります。
4号は絶対破れないレベル、7号は水につけただけで破れるレベル。
通常6号にしておいて、混んできたら全部7号。
張り切ってるお父さんとかには7号を渡し、可愛い子供とかには5号を渡す。
4号は実演用。

せめて5号にしてよとかって言うと、こいつ知っとるなみたいな感じでくれることがありますw

見分け方は普通に4号の箱とか箱に分かれて入ってます。
あと確か持つとこの色も違ったような、、🐠

さらに豆知識。
夜店があった跡地に深夜に懐中電灯持って行くとだいたい小銭が落ちてる。
500円玉とかが豊作なら1万円くらい集まることも。
砂利いっぱいの河原とか見つけにくいところがよく落ちてる。

※警察に届けないと遺失物横領罪になります。

お祭りって警察も結構いそうですが、何も言われないんですか?

私は警察に何か言われたシーンには遭遇したことないですね。
トラック何台かで移動してるときに整備不良で止められたことがあって、そのときはBが降りていってなんかごちゃごちゃ話したら解決してましたw